クマさんのバイク専科

乗鞍のチャンピオンクラスとDクラスの違い!

乗鞍のヒルクライムコースは、走行距離が20、5km、勾配は4%から8%の傾斜の区間が多く、チャンピオンクラスはスタートから、かなり接近した密集での走りとなって、20、5kmを1時間を切ってクラス上位の選手は走っています。時速25kmから30kmくらいで終盤まで走り、森林限界の始まる終盤に、トップ集団はバラバラになって、少人数の競り合いになって秒差で決着しています。チャンピオンクラスが56分台から58分台で優勝しています。

 

30歳以下のDクラスは、62分で優勝しています。この2クラスの走りを比較すると、もっとも違うのは集団の密度とケイデンスでした。チャンピオンクラスの選手は90回転から110回転近くで、ドラフティングして走って、250ワットから、時々400ワットくらいを発揮して、トップグループをキープしています。チャンピオンクラスの選手は、高いレベルの有酸素運動と無酸素運動のミックス状態で、高いケイデンスをキープして、4%から8%の前半から中盤の区間では、時速25kmから30kmで走っています。

 

上り坂でもドラフティングの効果があるスピードだから、スタートから密集で走っています。ライダーは250ワットくらいがレベルで、時には400ワットを発揮して、トップ集団をキープしたり、振り切られそうな選手を抜いて、前に上がっていきます。集団の速度は終盤まで落ちることなく、選手をふるいにかようにメンバーを絞っていきます。空気の薄さを感じるという選手が多い、背の高い木がなくなる、森林限界付近から、傾斜は3%から4%くらいに緩くなっています。

 

にも関わらず、それまでの疲労だけではなく、酸素の薄さが原因と思われる有酸素運動能力が低下して、それまで踏めて回せていたクランクを踏み込めなくなって、スピードは20km前後に落ちている選手と、それでも脚を動かして20km以上をキープできる選手に分かれます。発揮できるパワーもスピードもダウンした選手は200ワットから250ワット前後になっています。ここで踏める選手がスプリント力でサイドバイサイドやテールツーノーズで走っていたライバルを振り切って、優勝したり、上位入賞しています。

 

Dクラスのケイデンスは72回転から80回転くらいと、チャンピオンクラスより20回転くらい低い。これは何を意味しているかと言えば、踏み込み重視のペダリングになって、乳酸が発生しやすい状態で、時速20kmから25kmで走っている。緩斜面でスピードが30kmに到達する選手は少なく。集団もばらけ気味です。乳酸を発生させやすいペダリングで、終盤には時速17kmくらいまで低下しています。ケイデンスも70回転から80回転以下になって、パワーも150ワットから200ワットになっています。

 

レース終盤は、より踏み込み重視のペダリングになっています。より乳酸を発生させやすい走りになって、後半には、血液中の乳酸濃度が上昇して脚の筋肉が収縮しにくくなって、体に酸素をより多く摂り入れようと、呼吸数が増して、深く吸おうとゼイゼイハアハアして、より酸素を含んだ血液を送り出して、筋肉細胞へ酸素を送り込もうと、心拍数も180拍近くまで上がっているのに、血中酸素飽和濃度が低下するので、そうなると耐乳酸性が頼りになります。脚を動かすのが辛くなりスピード低下する傾向があります。

 

チャンピオンクラスで上位入賞をターゲットにするなら、250ワット以上を1時間キープできて、必要なら400ワットくらいを発揮できて走れる、筋力や有酸素運動能力の向上。無酸素運動で乳酸が発生してもそれに耐えてペダリングを続けられる、耐乳酸性の向上。そして、上死点近くでの軽く引き上げる、踏み込む足をフォーローする、トルク変動の小さいペダリングのテクニックや、高いケイデンスはかなり重要なポイントだと思います。一方で、乗鞍の完走狙いのライダーなら、34Tローギヤのスプロケットに、コンパクトドライブクランクの組み合わせで、軽量で剛性のあるホイールを付ければ、スピードはともかく、毎週末に走っていれば、2時間ぐらいで完走できると思います。ではでは。