クマさんのバイク専科

つくばのライドと、お誕生日とアップルパイ!

今週の日曜日のライドは、10人以上が参加して、サンデーライドミーティングに初めて参加のライダーもいました。バイクで走って来ている人も、車で集まって来る人もいるので、僕のガイドするライドは、走って来たライダーには申し訳ないけど、最初の20分から30分をゆっくりゆっくり走って、ウオーミングアップの時間を設定しています。体が温まってきて薄っすらと汗をかくと、体脂肪が燃えはじめて運動エネルギーになり始めます。起きた時の平常心拍数の2倍くらいに上がります。ここまでの段階をファーストウインドと呼びます。関節にはリンパ液が行き渡り、筋温も上昇して、毛細血管も広がり呼吸も楽にできるようになります。

 

それより少し運動強度の高いLSDレベルの運動を続けると、継続的に体脂肪をグリコーゲンに変換して、体内に取り入れた酸素と反応させて、筋肉を収縮させて、乳酸が発生したり、蓄積することなくペダリングすることができます。乳酸は発生して血液中に一定量を上回ると筋肉を収縮しにくいように作用します。疲労感にもつながり、そのまま体内に残ってしまうと筋肉痛や筋肉の硬直の原因になります。一般ライダーの場合、時速20kmから25kmくらいの範囲がLSDレベルの走りです。上級者でも時速25kmから30kmがLSDレベルです。

 

それに、初めての参加者がいる場合は、そのライダーの技量が分からないので、スピードは抑えめに、そして車が少ない道を選んで走るので、狭い道やくねくねと曲がる道でグループライドのスピードを上げにくいのです。時速は20km前後になります。10人もライダーが走るとグループライドは縦長になって、信号にも引っかかる可能性も高いので、より注意して走っています。今日のサンデーライドミーティングのショートコースのターゲットは、今が旬のなしを食べにいくことです。

 

千代田近辺のなし園では、幸水が終わりかけで、豊水の季節なのだそうです。今日は、なしをうまくむいてくれる人もいるし、食べるの専門という人もいます。毎年食べに行っている千代田の果物農園の直営の販売所です。巨峰もゴールドフィンガーという指先のような形のグリーンのぶどうも食べさせてもらいました。巨峰は深みのある甘さで美味しく、ゴールドフィンガーは皮ごと食べられる品種で、爽やかな甘さで、シャインマスカットのような味でした。お昼ご飯の時間が近いのに、美味しい果物でお腹がいっぱいになりました。

 

ショップに帰り着くと、お昼ご飯を食べに行くことになって、たまたま僕の誕生日だったので、李厨房でお昼ご飯を食べさせてくれるのだそうです。ベテランライダーのKさんの提案で、ノンアルコールビールで乾杯して、いろいろな料理を食べさせてもらって、大満足のお昼ご飯になりました。皆さんありがとうございました。お昼ご飯を終わってショップへ帰って、昨日ホームセンターで手に入れておいた赤い絨毯を、2階と1階の通路に敷き詰める作業をしました。疲れ切っていて、お腹が満腹なので、眠くなってしまいました。サトイモさんと松永家の3女に絨毯の切った張ったを任せて、ついにショップの改装は完成しました。これで、クリートで店内を歩いても滑りにくくなりました。

 

もう1つ、お誕生日の、アップルパイのプレゼントがありました。昔は不二家のアップルパイのホールごと食べたかったのです。昭和36年だったと思うのですが。本郷の東大の工学部に通っていたいとこが、神奈川県の三浦半島の久里浜の家へ遊びに来るとき、いつもお土産に買ってきてくれたのが、白いパッケージに収まった、丸いままの不二家のアップルパイです、温めたなっ切り包丁で8切れに切って、食べさせてもらっていました。

 

おしゃれな薄手のカップに紅茶を満たして、薄く切った輸入物のレモンを浮かべて、それにアップルパイの組み合わせで、丸いちゃぶ台を囲んで食べたことを鮮明に覚えています。りんごがスライスされて、半透明になったものがパイ生地に敷き詰められていて、シナモンの香りがして、ちょっと酸味もあって、甘くて美味しいお菓子だったな〜。これを大人になったら自分で買って、ホールのままかぶりついて食べたいというのが、その頃の僕の抱いた夢でしたね。

 

そう言えば、大人になっても、その夢を思う存分には叶えてはいないな〜。今じゃ糖尿病も発覚しちゃったし、実現は難しくなってしまいますね。母はお菓子を作るのが好きで、プリン、マシュマロ、焼きリンゴ、バニラカスタードクリーム入りのシュークリーム、そういうものが滅多に手に入らない田舎街のことだったし、国家公務員のお給料が半月ごとに支払わられて、その金額は5000円から1万円、日本中のみんなが、まだまだ貧しかった時代だったから、手作りの洋菓子は美味しかったな〜。

 

明浜小学校から、漁船や乗合の遊漁船が係留されている平作川に沿って、ランドセルを背負って、てくてくと歩いて、開国橋を久里浜湾に突き出した突堤を見ながら渡って、そこからは未舗装で、トラックやボンネットバスが通ると、真っ白な埃が舞い上がる凸凹の砂利道を通って、運輸省の港湾技術研究所の正門の守衛のおじさんにペコリと挨拶して通って、真っ黒な板張りだった官舎に帰り着いて、ガラガラと戸を開けると、夕食の準備のカレーの香りとか、お魚を焼く煙とかが、元兵舎だった、真っ暗な官舎の長い廊下に漂っていました。

 

廊下の長さは180mくらいあって、数カ所に100ワットの電灯がぶら下がっていました。ここは小学生のころの僕の3輪車の全力疾走するコースでした。きっとうるさかったでしょうけど、誰にも文句も言われずに、朝から晩まで走っていました。港湾技術研究所の広さは、東京ドーム2個か3個分の広さがあって、前面は岸壁を隔てて久里浜湾、東京湾フェリーが行き交っています。敷地内には東京湾のジオラマがあって、消波ブロックの設置のシミュレーションが行われていたり、造波装置がある東洋一のプールもあって、波の破壊力の測定などが行われていました。今、考えてみると、子供にとっては危険な場所だらけでした。

 

周りには親切で優しい大人に囲まれていました。小学校5年生で仲良しだった運転手さんに、車の運転を構内の道路で教えてもらったり、2kmくらいある岸壁から投げ釣りをしたり、湾内を移動する船を操縦させてもらったり。わんぱくの限りを尽くして真っ暗になるまで遊んでいました。家に帰っても両親が通常勤務で5時30分まで働いていたし、親父は台風で壊れた岸壁の補修の現場監督など、長期の出張が多く、おいそれとは家に帰って来れない仕事でした。

 

ランドセルを部屋に放り投げて、暗くなるまで遊んでいました。家の前まで来ると、シューをテンピで焼く、甘〜い香りがして、さらに折り重なるように、バニラエッセンスの効いたカスタードクリームが大きなお鍋いっぱいになっている。すでに焼きあがったシューがテーブルに並べられています。それを見ただけで嬉しくなってしままいます。シューに詰める前のカスタードクリームを、大きなスプーンにすくって、母が差し出してくれて、ツバメの巣のひな鳥のように大口を開けて食べさせてもらったな〜。スプーンの向こうにある、母の幸せそうな笑顔が大好きでした。

 

シューに1つ1つカスタードクリームが詰められて、真っ白なシュガーが雪のようにかけられて、テーブルの上いっぱいに並んだ時、これを毎日おやつに食べられると、もう、浮き浮きな気分になってしまうのです。完成品を1個ずつ受け取って、妹と2人で並んで食べるのが恒例でした。蒸し芋、ジャガイモの茹でたの、さつま芋入りや干しぶどう入りの蒸しパンが、日頃のおやつの定番だったから、シュークリームやアップルパイは、やっぱり別格だった。今もそのイメージや香りや甘さは鮮明に残っています。

 

先日のお誕生日に合わせて、2種類のアップルパイのカットしたのをプレゼントしてもらい、1種類はカスタードクリームの中に、ゴロゴロとリンゴが入ったものだった。美味しいのだけど味が洗練されすぎていて、超高級品だけど、違うな〜と思った。もう1つのアップルパイは、半透明のりんごに、シナモンパウダーがたっぷりコーティングされていて、生地もしっかりしていて、サクッとしていて、おおこれだよと思いました。田舎っぽいというか、りんごの酸味もあって、懐かしい味でした。子供達の喜ぶ顔を見たくて、手間暇かけて台所でお菓子を作っていた、エプロン姿の母が思い浮かびました。

 

もうこの9月で丸5年、医療施設付きの介護病院へ入院している母です。数年前から自分の名前も分かっているのかが不明です。親父は1日おきに通って、手作りのジュースや小さく切ったフルーツを持って行って食べさせています。時々、「美味しい」と言ったり、笑ってくれて、驚かせてくれます。今では歩けなくなって車椅子生活ですが、時々目をぱっちり開けて、一緒に2時間から3時間を過ごします。どんな状況になっても母は母です。どこで生活していても具合が気になります。今週末はみんなの温かい心使いに感謝しかないです。ありがとうございました。ではでは。