クマさんのバイク専科

赤城ヒルクライム、Oくん自己ベストを6分短縮!

先週の日曜日に開催された赤城のヒルクライムイベント、20km足らずのヒルクライムのコースで、ルックを駆るOくんが、自己ベストを6分短縮できたそうです。6分の違いはまるで別人です。またもや黒姫合宿のコースのほうがきつかったから、楽に走れたそうです。序盤は足を残しながらくるくる回して、そして踏み込んで走れて、最後にはフルパワーでダッシュしてフィニッシュできたそうです。

 

今までにない走りができたことで、今までコツコツと積み上げてきた、ゆっくり長く走るLSDトレーニングで、心肺機能を向上させて、仲間と競い合って走り、耐乳酸性や乳酸除去能力を高めるレジスタンストレーニングに取り組んで、体幹トレーニング、回復トレーニングなど、半年以上のメリハリのあるトレーニングへの取り組みが、間違いでなかったことを確信できたと思います。自分が進化していくことをはっきり感じることができたと思います。こういう時って楽しくてしょうがないでしょうね。

 

耐乳酸生の向上が目的の仲間たちとのもがき合い、やった感をもっとも味わえるトレーニングですが、体へのダメージもあるので、回復トレーニングも必要です。心肺機能を向上させたり回復させるLSDトレーニングにも辛抱強く取り組む必要があります。効率のいいペダリングのイメージ作りにも取り組んで効率アップしました。上半身と下半身を連動させる体幹を鍛える筋トレにも取り組んでいます。バイク以外のトレーニングも効果的です。

 

フルタイムワーカーとして仕事の疲労、トレーニングの疲労からの回復の時間の確保が重要なこともアドバイスしました。回復のためのアイシングやストレッチングにも取り組みました。耐乳酸性を向上させる、やった感があるトレーニングだけでは、細胞レベルで活性酸素の影響で、心肺機能が低下して、強く速くなれないこと、疲れが蓄積することを体験して、トレーニングの内容を見直したわけです。

 

バランスのいい食事、ライドイベントへ向けてグリコーゲンを蓄えるカーボローディングなど、できることからコツコツと取り組むことが、パフォーマンスを高めるために、重要なことを身に付けられると、自然にOくんのパフォーマンスが高まったという感じです。そんな、強く速くなっていく中で、LSDの重要性、回転重視のペダリングのイメージ、j等阪神の使い方、骨盤の角度の重要性、体幹の筋肉の重要性など、いろいろな気づきがあったはずです。

 

LSDトレーニングは退屈だし、なかなかパフォーマンスの向上を感じられないので、継続するのが難しいトレーニングです。本当に強く速くなりたいという、強いモチベーションとコツコツ積み上げる才能がないと、最初の1ヶ月くらいは、本当にこれで良いのと思ってしまうほど刺激がありません。でも、その積み上げが、毛細血管を伸ばし、体へ酸素をより取り込めるようになって、有酸素運動能力が向上して、低い心拍数でスピードを保てるようになります。蓄積できるグリコーゲンの量も増えてスタミナが増します。

 

耐乳酸性を高めるハードな走りの後の乳酸や筋肉の疲労からの回復も早くなります。これは、高速でもがいているだけの耐乳酸性を向上させるトレーニングでは得られない効果です。もちろん、高速で走るには乳酸に耐えて筋肉を収縮させる能力も大事ですが、そこには心肺機能というベースを開発するトレーニングも必須です。

 

Oくんはフルタイムワーカーで、プロみたいにトレーニングできる時間はありません。より効率よく体を刺激するトレーニングプログラムのバランスと、トレーニングやレースでの疲労からの回復も配慮して、強く速くなる方法を探している感じです。コツコツ積み上げること、科学的なトレーニングの方法と、その効果を理解できるのも、才能と言えるでしょう。

 

まずはクランクを回すことが効率よく走れる基本であることを、わずかに軽く感じるギヤ比で走るメソッドに取り組んで、回すペダリングを身に付けて、毎分100回転から120回転できる脚の筋肉と、神経系の回路を数ヶ月かけて作りました。心拍数や呼吸数が上昇して苦しくなることの方が、筋肉線維や乳酸の発生によるダメージを受けないことを体験して、ちょっと呼吸が苦しい有酸素運動中心の走りが合理的なことを掴んだわけです。

 

踏み込んでケイデンス低くペダリングしてしまうと、乳酸値が急上昇して筋肉の収縮を妨げるようになって、すぐに踏めなくなることを体験しているので、踏み込んでビューっとスピードが出る走りと比較すると、もどかしかったと思いますが、回してスピードをキープして疲労をためないことが、普通に感じられるようになったみたいです。少し苦しく感じるのでなかなか取り組みにくいんですけどね。

 

ペダリングもイメージを大きく変えました。足を円く回すのではなく、膝から下の筋肉へのダメージが少ない、太ももを上下させる太もも主導のペダリングをイメージして走れるようになっています。踏み込みやすい腰の位置もキープできるようになりました。時速20kmで走っているとすれば、6分短縮なら、1500mくらい速くなったことになります。昔の赤城のヒルクライムを走る自分から、今の自分は見えない存在に進化しているわけです。自分に合ったトレーニングをすることって重要ですね。自転車生活をエンジョイしてください。ではでは。