クマさんのバイク専科

ジュニアトライアスリートさんやってみて

トライアスロンのスイム、バイク、ランの3種目の中で最初に実施する、スイムの得意な選手がいるかな。スイムの得意な選手は小さい頃からスイミングスクールなどに通って、スイムに親しんでいる人が多い。トライアスロンや競泳に出たいと、大人になってスイムを始めると、理論を学んだり、スイムのフォームを分解して、キックやキャッチなどを身につけるメソッドの積み重ねで水の抵抗を減らしたり、水を動かすフォームを身に付けられるけど、筋力頼りで泳いでいる人も多い。子供はスイムで重要な水を捉える感覚を素早く身につけていたり、水の抵抗を減らす姿勢を自然にキープできるようになっている人が多い。

 

スイムが好きだとか、得意な選手は、1日に1度は泳がないと、水を捉える感覚が失われると、トレーニングに取り組む傾向がある。水の中にいると、水の浮力で体幹の筋肉をそれほど使わないで、姿勢を保つことができるので、トップスイマーほど水の中にいる時間が長い。本当は体幹を鍛える必要があるのだが、スイムに時間を取られて体幹の筋肉を鍛える時間がなくなる傾向になる。でも最近のトップスイマーは、長い時間水の中で1Gの刺激が無い時間を過ごしていることを理解して、体幹の筋肉を鍛えるトレーニングの時間を特別にとるようにしている。スイムを得意な選手ほど体幹トレーニングを意識すべきなのだ。得意種目にトレーニングが偏ってしまわないように注意しよう。体幹の強化は3種目共に重要で、トライアスロンは3種目のバランスが重要なのだ。

 

トライアスロンのスイムは、波消しコースロープによるコース分けされた競泳とは違う。スイム中のコースブイの確認も必要で、抵抗が大きくなってスピードウンしてしまう、ヘッドアップスイムも取り入れる必要がある。プールでのトレーニング中にも行い、素早くスピードを取り戻す上半身をひねって斜めにして、遠くに手を入水して加速する泳ぎ方も身につけておこう。

 

トライアスロンのスイムコースは、池、川、海と流れや波やうねりがある場合もある。水への飛び込みが必要なコース設定もある。もちろんコースわけがないので、接触が普通になっている。ゴーグルを外されたり、飛び込んだ時に外れたりずれたりするので、シリコン製のキャップを2重に被り、ゴーグルのバンドをしっかりサンドイッチする。海では波に向かってスタートする場合もあるので、波に向かってストリームラインをキープして、波を突き抜ける技術をマスターしておこう。波に押されて上陸する場合は、波の力を利用してボディサーフィンしながら砂浜ギリギリまで滑るようにして上陸するテクニックを身につけよう。

 

ゴーグルがずれて水が入ったら、ヘッドアップスイムして水を抜いた方が、ブイを見逃して遠回りするリスクを避けられる。バトルでは上にイルカ乗りされることもある。慌てて浮き上がろうとすると体力を消耗するので、息をこらえてやり過ごそう。トレーニングで体験しておけば慌てないで対処できる。荒れている湖や海での泳ぎは、止まっている水のプールでの泳ぎより上半身のパワーやストロークの回転が必要になる。荒れた水の抵抗は大きく体のスピードがすぐに落ちてしまうので、手数とパワーが重要なのだ。

 

プールで抵抗の少ないきれいな泳ぎを身につけることも重要だが、トライアスロンのスイムでは上半身の筋力強化が必要で、パドルを装着したり、ズーマズフィンを採用した筋力強化や、スピード感覚も身につけられる。抵抗の少ないフォームや、水のキャッチも重要だが、オープンウオータースイムの場合は力任せの短距離ダッシュなどで、波や流れに対応できるように、パワーやスピードをつけることも実戦には効果的だ。男女のトップアスリートの上半身を見て参考にしよう、トップスイマー以上に筋力が発達している。

 

オープンウオータースイムに対応するための特性だ。ランニングやバイクでは重りになってしまうのだが、より水の抵抗が大きいので、対抗するために必要な筋肉だと思われる。スイムのトレーニングだけでは必要な筋肉量に到達しないので、上半身をターゲットにした動かせる筋肉を作るサーキット筋トレも採用しよう。30回以上続けられる負荷で行い、筋肉を大きくするだけでなく、直後に有酸素系の運動を行い、神経系の連動も刺激して、神経伝達物質のシナプスを活性化させて、連動する筋肉を作るのがポイントです。

 

スイムのスタートダッシュで、集団のいいポジションを確保することも可能になる。もちろんスタートする位置の見極めも必要になる。ブイに向かって左右に広がった選手が、最短距離のラインに集中してバトルに巻き込まれやすくなる。スイムの速度差は小さいので、いつまでも隣の選手と絡むこともある。スイム・バイク・ランの1種目でも苦手意識があったら、レースで思ったようなパフォーマンスを発揮できない。バイクはスイムよりは体を支える意識が必要な種目だ。それでもサドルやペダルやハンドルで体を支えられる運動で、路面からの振動によるダメージは少ない。

 

ただし、ペダリングという特殊な運動でアスリートのパワーを引き出して、前へ進むスポーツバイクという機材を、体格や体力に合わせてポジションを調整して、変速システムやブレーキを使いこなす能力も必要とされる。トライアスロンでバイクはつなぎの競技と勘違いしているコーチもいるほど、バイクの集団走行は力の差が見えにくい。ドラフティング走行は10%前後の差をマスキングして、同じ集団で走れてしまう。ところが体力はカンナをかけられるように、走り終わった時に削られている。バイクの実力がないと、ランの能力が高くても本来の力を発揮できないのだ。

 

バイクのLSDトレーニングや、耐乳酸トレーニングや、ミドルレベルでのレペテイショントレーニングの積み上げが、バイクのパフォーマンスアップだけでなく、ランでのパフォーマンスを向上させます。3種目共辛抱強いトレーニングの積み重ねが必要ですが。最後の種目のランが最もタイム差が出やすい種目です。当然強化は必須です。ランだけの持ちタイムの向上を狙うべきです。そこで問題になる可能性が高いのは、スイムが得意という選手のランの強化です。スイムの得意な選手は有効なキックをするには、足首の可動範囲が大きく、柔軟性が優れている傾向があります。ところがランは足首の柔軟性は捻挫の原因になる可能性が高く、ランのハードなトレーニングで故障しやすいのです。

 

それを改善するのがウオーキングです。できれば柔らかい路面の不整地を歩く、クロスカントリーウオーキングが最適です。あらゆる方向に対応して踏ん張って支えて歩くことになり、足首だけでなく体幹や客の筋肉も刺激して強化できます。最初の1ヶ月は体のみの不可でウオーキングして、2ヶ月目からは2Lのペットボトルをデイパックに入れて背負って歩きます。ペットボトルウオーキングに慣れてきたら早足で歩き、それも身軽に動けるようになったら、今度はイージージョグに移行します。脚の筋肉が発達するだけでなく、心肺機能も高まり、故障もしにくくなり、腹筋も発達します。つくばなら万博記念公園がぴったりのフィールドです。ウオーキングに是非取り組んでください。ではでは。