クマさんのバイク専科

アスリートの国籍の問題!

卓球の世界選手権の時に各国の代表を見て驚きませんか。中国リーグで活躍していた世界ランキングのトップランカーが国籍を変えて各国の代表になっています。中国の代表になるために勝ち上がるのは大変なので、国籍を変えて国際大会への出場のチャンスを広げるためにそうしているのです。普段は中国やイタリアやドイツのプロ卓球リーグのチームに年俸をもらって所属していて、世界選手権やオリンピック、スーパーリーグになると各国の代表のユニホームを変えて参加しています。

 

世界ランキングのポイントが大会のグレードに合わせて設定されて、1試合ごとに加算されていく制度になっていて、ポイントのかかった試合が次々に開催されて、選手にとっては試合をこなすのも大変で、ランキングの入れ替わりも油断がなりません。国の代表もランキングで決定します。世界選は勝ち上がった上位の試合ほど、マッチメイキングが中国選手権みたいじゃないですか。

 

経済発展した中国では、スポーツコンテンツは人気があって、オリンピック、世界選手権、カーレースなどの誘致が行われています。ビッグスポンサーが集中している中国の卓球のプロリーグはレベルも高く、各チームは中国人選手中心でメンバー構成されているが、日本人やオランダ人やドイツ人、イタリア人が、日本のプロ野球みたいに外人助っ人選手として契約する場合がある。日本にも卓球のプロリーグが始まっているが、地域密着型のJリーグのような形態はとっているがリーグ開催期間だけの契約の実業団チーム的な雰囲気があって、プロの個人契約や海外チームとの契約の方が目立っている。今回のパンデミックの発信地になった中国だから、リーグは中断されていて、再開を目指しているが、チームメンバーの入れ替えも噂されているし、スポンサーの撤退表明などもあって、財政面での危機も起こっているという。

 

ランニングの世界でも国籍変更選手が各国ナショナルチームの代表になっています。マラソンや中長距離や短距離の選手が、資金の豊富なバーレーンやアメリカのクラブチームに所属して、トレーニング拠点として、プロ選手として活躍しています。マテリアル系の企業と供給契約したり、イメージアップを狙う企業と年俸契約して、さらに賞金レースで勝って生活しています。大会によっては盛り上げるために、世界記録保持者や有名選手などを呼んで、スターティングマネーをもらって参加することでも稼げます。好記録を狙うためにペースメーカーが走る場合は、役割を果たした選手にも報酬が支払われています。

 

マラソン選手や中長距離選手のトップアスリートは地域性があり、エチオピアやケニアなどから多くの選手が登場して、プロ選手として世界各国に国籍を変えてナショナル代表になっています。日本の実業団、大学、高校チームにも所属しています。駅伝やマラソンの開催が多く人気があるので、国籍変更しないで、外国人助っ人選手として活躍しています。日本陸連やレース主催者の設定したローカルルールで、1大会の外国人選手出場枠が設定されている大会もあります。日本人選手の育成を配慮したものです。

 

マラソン大会のテレビ中継を見ていると、先頭グループはエチオピアやケニアの出身選手が大勢生き残っている画面が展開されす。最近では1500mまでアフリカ系選手が活躍しています。ヨーロッパでは移民などで両親の出身国が違う結婚も多く。どちらかの国を20歳前後で国籍を選ぶか、生まれた国を選ぶルールになっています。南アフリカは白人支配の時代は、イギリス人の移住地として経済も政治も支配していました。人種隔離政策を実施していたので、南アフリカは国際大会への参加が制限されていて。オリンピックへの参加も出来ませんでした。

 

有名なプロゴルファーが南アフリカ国籍で、アパルトヘイトを理由に参加を拒否される大会もあったそうです。白人、名誉白人、ミックス、黒人という区分で国が構成されていて、有色人種が住居できる地区が決められていていました。経済交流のできる地域、白人居住地域と別れて警察によって管理されていました。金鉱山、ダイヤモンド鉱山、牧場経営、農業、遠洋漁業、ビジネスを握っているのは白人で、ビジネスビル郡もイギリス風で整備されていました。

 

観光スポットもありましたが、暴動も起こりがちだし、ミックスゾーンのソエトなどでは強盗や民衆と治安警察との銃撃戦も起こっていて、決して治安の良い国ではありませんでした。経済効果が認められた日本人は白人居住地区に入れる名誉白人扱いでした。レストランやホテルへの滞在も認められていました。日本の企業が直接支店や工場を作ると、アパルトヘイト反対国での企業活動が禁止されてしまうので、アンダーグラウンドでつながっている、別会社が利益の大きい条件で、リスクを承知でフロント企業になって進出して、需要の多いパジェロやランドクルーザーやハイエースやコースターを大量に輸出販売して修理工場も運営していました。

 

国際的には表向きは鎖国状態でしたが、実際にはイギリスの系統の企業のバックアップを受けている国なので、家電も車もイギリス系企業の製品でしたが、信頼されているのは、本来輸出入を規制されているはずの日本製でした。だから白人地区には日本人エンジニアや、名の知れた会社の看板が上がっているオフィスがあって、そこへ勤務している派遣社員が多く住んでいて、日本人経営者ではなくても日本食やさんが結構あって、中華屋さんもあるので、長く滞在しても食に困ることがありませんでした。

 

南アフリカで生まれた優秀なアスリートは、南アフリカ国籍を捨てて、規制のない両親の出身国に国籍を変えて出場していました。トライアスロンのサイモン・レッシングは、コンピュータソフトのAシステムとプロ契約して世界でレース活動していました。父親は南アフリカ人、母親はイギリス人だったので、イギリス国籍を選んで、イギリス選手としてオリンピックや世界選手権の出場権を確保していたわけです。国の体制や国内法によって影響を受けての国籍変更もあります。

 

サッカーは国籍ルールが厳しくコントロールされていて、1度ナショナルチームで出場してしまうと、変更できなくます。ユニークなのはラグビーです。3年間その国のチームでプレーすると、他国でナショナルチームでプレイしていても、国籍を変更していなくても、居住国のナショナルチームとして活動できます。ちなみに日本チームは半分以上が外国人でした。どのルールがいいのかはわかりませんが、日本のリーグがレベルアップして、日本人選手が世界レベルの選手とプレイして、刺激される機会が身近にあるのは素晴らしいことです。本当は日本人1位という表現がなくなるといいんですけど。引退間近と噂されている30億円プレーヤーのイニエスタを見ていると、若い日本人プレーヤー以上に状況が見えているし動けているものね。

国籍なんか関係なくすごいものはすごい。ではでは。