クマさんのバイク専科

クラフトワークの一人が亡くなった!

ドイツのテクノポップバンドのクラフトワークのメンバーが亡くなった。日本でも何度かライブが行われて、赤坂のキャピタルホテルに泊まっていた。ビートルズ、U2、スティービー・ワンダーお気に入りのホテルだった。U2は今でこそ自然保護とか、世界平和をメンバーは唱えているけど、僕の知っている頃は、ホテルの部屋の窓を開けて、下にたむろしているファンを煽って大騒ぎしていた。ベッドのマットレスを投げ落としたり、テレビが飛んだり、しまいには便器まで床からもぎ取って投げ落としていた。

 

だから、今のボノさんたちのメッセージを心から信じる気にはなれない。そこに行くとクラフトワークのメンバーたちは静かな人たちだった。ホテルの玄関を4人でテクテク歩いて、隣の神社へお参りに行ったり、ドイツ料理店に夕飯を食べに行って、帰りには溜池の裏路地の和菓子屋さんに寄って大福を買って食べていた。目的はコマツのビルの向かいにある、ワイインターナショナルだった。彼らはツールドフランスというアルバムを出していて、自転車が大好物だったのだ。7階建てのビル全部がスポーツサイクル屋さんだよと言う情報を手に入れて、絶対に行くと言っていたのだ。

 

その彼らを日本に呼んだ事務所からの問い合わせが自転車雑誌の出版社にあって、メンバー全員がそこに行くと言っていると言う。夕食を食べるところから、サイクルショップ訪問を記事にしてもいいかと尋ねると、なんと同行取材が許されたのだ。シンセサイザーやリズムセクションを融合したテクノポップの原点とも言えるバンドなので、いかれた行動をしないか心配だったが、和菓子を食べたいと、大福と柏餅を食べながら、ワイインターナショナルに入って行った。

 

こりゃ品揃えがすごいと、迷路のような7階建てのビルを1時間以上歩き回っていた。メンバー全員が3階に集まって来て大満足だった。ポケットに持って来たクラフトワークのオリジナルジャージを出して、全員がサインを入れて、店員に渡していた。何かデザートを食べたいと言うので、赤坂見付けにあった、アンナミラーズに案内して、30種類ぐらいあるパイから選んで、さらにアイスクリームをトッピングしてもらって、ここ最高だな〜と言いながら大満足でホテルまで歩いて帰った。

 

こんな都会で自転車で走るところがあるのかと聞かれたので、日曜日にパレスサイドへ走りに行けばと言うと、行ってみると言っていた。レンタサイクルもあると伝えた。江戸城のお堀の周りを走ったみたいだ。多分、彼らがクラフトワークだと気がついた人は少ないんじゃないか。YMOなどのテクノポップの原点になったバンドは、ホテルをトコトコ抜け出して、赤坂見付け駅から地下鉄に乗って、新宿、銀座、日本橋、築地など、コンサート会場との移動だけでなく、東京を思う存分楽しんでいた。取材終わりにツールドフランスのアルバムジャケットにバンドとエンジ二アに丁寧にサインしてもらったのがお宝だ。ではでは。