クマさんのバイク専科

ディスク仕様しか在庫がない!

完組ホイールの在庫を調べてもらったら、なんと卸屋さんにはディスクブレーキ用のホイールしかないという。もうリムブレーキ仕様は注文してしばらく待たないと手に入らなくなっているというのだ。ディスクブレーキ仕様のバイクはそれだけ浸透しているのだ。それまでは、プロロードレースで試用期間だとか、本格解禁だとかと、いろいろ選手会やチームからのUCIの技術委員会への意見もあったが、自転車を供給するスポンサーもディスクブレーキ採用に全面的にシフトしたスペシャライズドというメーカーもある。上級モデルは全てディスク仕様というトレックのようなブランドもある。

 

その他のメーカーも中級や上級モデルはリムブレーキとディスクブレーキの2ラインが用意されている。本格解禁から2年目の2020年は、プロロードレースも、やっとディスクブレーキロードが花盛りになるフェーズへ突入したわけだ。MTBのXCがカンチブレーキ、Vブレーキ、油圧のディスクブレーキに変わって主流になるのに10年かかったのだが、ロードの油圧ディスクブレーキは、最初は、制動距離が違うリムブレーキとの混走が嫌だとか、選手もメカニックにも、いろいろアレルギーがあった。

 

2019年にはまさに油圧ディスクブレーキを採用したプロチームは少数派と言えたが、ダイレクトマウントもセンターボルト止めも混走していたわけだ。2020年は機材スポンサーの意向もあって、油圧ディスクブレーキ採用チームが急に増えた。プロチーム機材が油圧ディスクブレーキ仕様になって、レース中のメカトラブルに対応する方法のサポート体制にも変化が生まれている。サポートカーのルーフキャリヤにはエースとアシストのスペアバイクだらけだ。

 

レバーを90度から180度動かすと固定が解放できるクイックレリーズが、ディスクブレーキになって、シャフトが太く強化されて、くるくるとネジを回すスルーアクスルになって、ホイール交換だと20秒以上かかるので、時間がかかって集団復帰に不利になると変わったのだ。しかも、カンパニョーロもシマノも、リヤ変速機がシングルテンションになって、後輪の着脱の時にリヤ変速機の上ブラケットのリターンスプリングが無くなり、その力で自動的に変速機が後退しないので、チェーンの張りがなくなり、チェーンが落下したり絡みやすくなったことから、パンク修理はスペアバイクを渡すことが多くなっている。

 

卸屋さんのホイールの在庫状況は、リアルに市場のニーズを反映したものだ。リムブレーキやリムブレーキホイールの将来を予測させる。はっきり市場は油圧のディスクブレーキへ急速に移行し始めているということだ。新規のバイクの購入をこれから検討するとしたら、ロードバイクの形状の変化の好みの問題もあるけど、ブレーキフィーリングの天候による変化が少なく、ブレーキレバーの引きが軽い油圧ディスクブレーキ仕様を視野に入れたほうが良さそうだ。

 

特に手の力が弱い女性ライダーは、絶対に油圧ディスクブレーキがいい。男性ライダーでも長い下り坂で手が痛くなるという同じような経験をしているはず。短い下り坂しかないつくば周辺では経験できない長く豪快な下り坂がある。油圧タイプなら、ブレーキレバーを指一本で軽く引けて、フルブレーキングできる。長いダウンヒルでも手が痛くならず。思ったようにスピードコントロールできる。定期的なメンテナンスや、ブレーキパッドやディスクローターやフールドの管理は、信頼できるショップのメカニックに任せればいいのだ。ではでは。