クマさんのバイク専科

マヴィックジャパンは大丈夫?

フランスのマヴィックは経営母体が変わり危機的状態という噂が流れている。日本でもネットショップも正規ルート店舗でも投げ売りの噂が立っている。せっかくUSTリムとチューブレスレディータイヤが定着し始めているし、カーボンリムの上級モデルも人気がある。老舗のリムや完組みホイールメーカーがどうなるのか注目される。ユーザーはマヴィックのホイールがネットショップでも安く買えるようになったからいいんじゃないのと思って買っている人も多いだろう。

 

ところが、ホイールは使っているとアクシデントが起こる可能性がある。スポークが切れたり、リムが曲がったり折れたり。ハブやフリーの調子が不調になったりするのはご存知の通りだ。絶対にメンテナンスが必要な時期がやってくる。これはマヴィックの完組みホイールに限らずだ。そういう時に、一体ネットショップは対応してくれるのだろうか。ネットショップがメカニックを抱えていて、ホイールをネットショップへ送り返すと、マヴィックから予備パーツを取り寄せてくれて、修理をしてくれて、すぐに送り返してくれるのか。そんな話を聞いたことはない。売りっ放しが普通だ。

 

マヴィックのホイールを取り扱っているサイクルショップが、ネットショップや、他店舗で購入した完組みホイールを。修理箇所を確認して、補修パーツを取り寄せて、手間暇かかるメンテナンスを快く引き受けてくれるだろうか。日本の正規代理店のルートで流通したトーサビリティのはっきりしているホイールでないと、シリアルナンバーを卸しに問われて、正規流通ルート商品かを確認して、予備パーツを手配してもらえない場合もある。他店舗購入やネットショップ購入の修理価格が設定されているサイクルショップもあるし、その店舗で購入したユーザーの修理が優先されることもある。

 

手間暇かかる修理を受けてもらえないショップだってある。修理やメンテナンスを受け付けてくれるだけでもラッキーなのだ。メンテナンス能力に自信のある人はマヴィックをネットショップで購入すればいい。果たしてマヴィックのスポークや、専用オイル、専用グリス、スモールパーツは手に入るだろうか。振れ取り台やホイールセンターゲージも用意しているのかな。マヴィックのホイールは、新製品が発売されるたびにプロメカニックのためのメンテナンンスのセミナーが開催されている。

 

マヴィックのホイールは、シールドベアリングの打ち替え、回転の保持、フリーの稼働、玉当たり調整、シールドの交換など、特別なメンテナンス方法、専用工具やケミカルが必要なのだ。高性能ではあるけど、デリケートな部分もあり、定期的な点検やメンテナンスが必要なホイールなのだ。しかも、チューブレスレディタイヤの、リムへの着脱、シーラントの注入、パンクした場合の現場での対応方法、帰ってからのチューブレスタイヤの修理方法など、ショップのメカニックに教えてもらわなくても、個人で全部できれば正規代理店で買う必要はないです。

 

マヴィックのリムやホイールの日本の輸入代理店は、外資系のアメアスポーツでしたが、マヴィックの部門を切り離して、マヴィックジャパンになりました。日本の正規ルートはここと契約しているサイクルショップです。スモールパーツ供給や保証の契約も含まれています。アメアスポーツはマヴィックと正規ルートでの流通契約を結んでいましたが、ネットショップに日本からアクセスをできなくなっていました。その契約期間が切れて、ネットショップで流通できるようになったわけです。果たして正規ルート以外で確実にメンテナンスが受けられるのかが問題です。

 

確かに価格差は大きいです。どこのメーカーの完組みホイールもネットショップは、店舗の家賃もないし、メンテナンスを勉強したスタッフを雇う必要もないし、そういう重要なことを省いて、売るだけなので、安くできるのです。手に入れたユーザーも得した気分になれます。だけど、いったい誰がメーカー保証や、メンテナンスをしてくれるのでしょう。ノウハウと専用工具が必要だし、消耗のチェックや、振れ取りやパーツ交換などのメンテナンスの責任を持つんでしょうね。正規代理店の実店舗との決定的な差はそこですね。蛍光イエローのサポートカーが元気に走り回ってほしいね。ではでは。