クマさんのバイク専科

Eバイク乗っていいとも!

いま手に入るスポーツEバイクの最高峰は、スペシャライズドの3モデルだろう。開発したメーカーは、もちろんプロモーションは強気で、新しいジャンルのロードバイクとして、スペシャライズドの取り扱いショップとの契約は、Eバイクは別扱いで、利益率もロードバイクより低く抑えられている。ショップとしては扱いにくいよね。Eバイクを取り扱えるのは、もちろんスペシャライズドの代理店という前提がある。

 

スペシャライズドの上級モデルのSワークスのブランドの製品の取り扱いも別契約になっているが、どういうわけか、一般モデルやSワークス製品より利益率が悪いのだ。しかも、Eバイクの取り扱いの条件には、試乗用のEバイクの購入が2台以上必要なようだ。これもショップの負担が大きいな〜。すでにこの分野に参入しているヤマハは、試乗してみたが普通の重い電動アシストバイクだった。試乗した当時はフルアシストで走れる時間も短かった。

 

フレームもデザインも近未来を感じさせる新ジャンルとかいう段階ではない。ロードバイクにモーターと大きく重い電池を付けただけのモデルだ。軽くて高級なロードバイクを持っているライダーに、アピールして乗り換えるような魅力的なバイクではないと思います。価格帯は20万円以下、ヤマハの最近のキャンペーンでは、実走りでどのくらい走れるかをレポートして、初期のモデルより走行距離が伸びている。ドロップバーの実用的な通勤通学用というイメージの方が強い。

 

スペシャライズドの価格帯はおよそ80万円、100万円、140万円だ。これで日本のスポーツサイクリングの市場に買い手はいるのだろうか。言ってしまえば走行距離や12kgの重量など、現時点での高性能な電動アシスト付きのロードバイクだ。それだけに今までの電動アシストバイクと、くっきり差を打ち出すブランディングやデザインが必要なのだ。通勤通学用の電動アシストバイクが8万円から15万円で、売れてはいる。

 

自分の力で走るのを楽しんでいたサイクリストが、スポーツ向きの電動アシスト付きのロードバイクがどう受け入れられるのかのコンセンサスが、これから作られるという、確かに特別なジャンルの新製品で、しかも、この価格帯なので、有力なサイクルショップでも年に10台の販売は難しいだろう。利益率が低いので試乗車の導入などで販売スタートのハードルが高いので、利益を出すまでが大変だ。スペシャライズドの代理店がいくつあるか分からないが、取り扱いを開始するのは何店舗だろう。僕はスポーツEバイク欲しい派だが、かっこいいモデルなら買いたいと思っていたのだが、現物に試乗してみてまだちょっとたじろいでいる。

 

スペシャライズド以外にもスポーツEバイクが登場して来て、アイデアやデザインや、電動アシストの入力の具合や電池の性能を比較して選びたいと思っている。だけど、世界で法律の規格が違っているし、何台売れるのかわからない製品の開発に取り組むメーカーは何社あるんだろう。電動モーターや電池ユニットが販売されてプラットフォーム化すれば、製造メーカーは増えるし、価格帯も抑えられるかもしれないが、性能は横並びになる。そうなれば、ブランディングとデザイン勝負になるな〜。

 

コルナゴ、ジャイアント、メリダ、デローザ、ピナレロ、パナソニック、ブリヂストンなんか新ジャンルへエントリーしないかな、どうかな〜。電動アシストのバイクはシティコミュータとして世界的な普及は始まっていて、身近な乗り物としてスタンダード化が予想されるけど。スポーツの道具として高価なスポーツEバイクはメジャーになれて世界でどのくらい普及するのだろう。レースやロングライドイベントでどう扱われるのかも注目される。

 

僕は電動アシストバイクの試乗の仕事で、パナソニックのエネループの前後輪駆動のモデルの可能性と、室内競技場用の高出力の電動アシストペーサーにも注目しているし、ブリヂストンの電動アシストMTBと、3人乗りのママチャリの性能の高さが際立っていた。それを考えるとスポーツEバイクの開発も、いいものを作れる可能性があるんじゃないかな。ではでは。