クマさんのバイク専科

梅酒で酔っ払っちゃった!

お酒は美味しいんだけど、コップ1杯でグデグデになる体質なのだ。いつもお酒を飲むと後悔するのは分かっていても、ついつい美味しくて飲んでしまうんですよね。今日もテーブルに梅酒の瓶が乗っていて、冷やしトマトを食べて、スイカを食べて、サバ味噌煮を突っつきながら、クラッシュアイスを作ってガラスのコップに詰めて、梅酒を注いで飲んでしまった。美味いな〜。瓶の中の梅をかじるのも好きなんだな。半年ぶりくらいのお酒だ。本当は暑い日にきりりと冷やした日本酒の大吟醸を、水みたいにゴクゴク飲むのが美味しくて、美人の酒造りの姉さんが作る霧筑波の大吟醸を気に入っているんですけど、コップ1杯でぐでぐでになって寝込んでしまうんですけど美味しいよな〜。

 

テレビでビールを美味そうに飲んでいるのを見ると、飲みたくなっちゃうんだよな。真夏のビールは喉越しが爽やかで何とも美味いんだよな。CM見るたびに誘われるんだけど、それもコップ1杯でダウンだ。黒姫合宿で今日はもう車を運転しない時に飲む、赤いラベルのコーラにライムをカットしたものも美味しいけど。生ビールのサーバーから小さなコップ1杯飲むのも最高だよね。ノンアルのビールでもヤバイからね。ボルドーの赤の室温の美味さもたまんないな。ボルドーの市長さんにもらった木箱入りの4つのシャトーのボトル最高だったな〜。それもコップ一杯が限度だけど。そうそう、ワインと言えば黒姫合宿にたまごちゃんご夫妻に差し入れてもらったアイスワインも美味しかった。もちろん倒れ込みました。

 

お酒は美味しいし、飲みの雰囲気も大好きなのだけど、これで大量に飲める体質だったら、今頃この世に俺はいないね。大食いだけでも糖尿病なんだから、これでもっと飲めたら肝臓がただ事では済まない結果になっていただろう。お酒を飲むとすぐ真っ赤になって、手が真っ赤なもみじみたいになって、床へ寝転がって動けなくなってしまうのだ。そうなるのが分かっているのに、美味しくて飲んでしまうんだよな。お酒の美味しさに気がついてしまったのは雪山サイクリングでのことだ。

 

ニッカボッカの尻のポケットに、2本のウヰスキーを持って寒さよけに持って走ったのだ。街中では一面雪で30cm以上積もっていた。これから山で標高1500mへ上るのだけど、ハーシーズのでかい板チョコと、このポケット瓶2本と、アルミのボトルの水だけだった。峠まで40km、ほとんどランドナーに乗って走ることができなかった。押して歩く荷物になった。上れば上るほど雪が40cm、50cmと深くなって来て、真夏に上っているので道には自信があったのだが、真っ白でどこをどう歩いているのか分からなくなった。親父に借りたレイバンをかけていなかったら、目が疲れて見えなくなっていたな。

 

仕方がないので雪の中に座って、雪山の尾根の形を見て、チョコとウヰスキーを飲んでは、ここら辺だなと5万分の1の地図で確認しては前に進んだ。高田の馬場のゴローで作ってもらったアザラシの革をオイルドして、ゴアテックスのインナーを付けたツーリングシューズは最高で、水の染み込みもなく、スパッツと組み合わせて快適だった。峠が近づくと、本当はぐでんぐでんだったのかもしれないが、いつものように眠くならないで、いい気持ちでてくてくランドナーを押して上っていた。ウヰスキーの喉越しの刺激がたまらなく美味しいと感じた。気温はマイナス7度になっていた。

 

ウール100%のアンダー、スキー用のウールのセーター、カナダで買ったオイルドされたカウチンセーターの重ね着に、シェラデザインのゴアテックスレインパーカー、オイルドウール100%の無茶苦茶温かい手袋、オイルドウール100%のソックス。ウール100%のニッカボッカにアンゴラの毛のアンダーパンツで、ウールの帽子をかぶっていた。とにかく全く寒くはなかった。むしろ集中して歩くと汗が吹き出した。時速は3kmくらいだった。峠を越えるには15時間以上歩くことになりそうだ。峠まで6km、ここからいよいよ雪が1mを越えてラッセル状態になった、時速は400mくらいになった。ウヰスキーが絶好調で美味い。日が沈んで気温はマイナス10度になった。

 

冬山の山岳カメラマンの撮影のアシスタントのアルバイトより、機材が軽くて楽なもんだ。雪明かりで見えるので、とにかく道をロストしないように地形を確認しながら歩いた。ランドナーを自分の前ヘ投げて、その上を踏んで前に進んだ。振り返って見ると、1時間前に通過したポイントがすぐそばだった。もうすぐ電力会社の送電線をチェックする小屋があるはずだ。休みたいとか寒いという感じは全くなかった。風を防げる壁があるだけでホッとはしたが、軒先のコンクリートに座って、ミニクッカーでスイスメタを炊いて、ホットウヰスキーを作って飲んだ。紅茶に角砂糖も美味しかったな〜。空には星の数が違っていて、流れ星がいくつも見えて最高だった。

 

信州側への下りは雪がフレームとタイヤに凍りついて詰まって回らない時もあったが、枝を拾って掻き出しては走って、なんどもすってんころりんとコーナーのたびに転倒して、時には小川に落ちてもせっかくランドナーで来たのだからと、意地になって乗って下った。宿に着いて酔いが覚めると、そこらじゅうを打撲して青あざになっていたので、薬屋さんでゼノールシップを買ってきて、そこいらじゅうに張り付けた。痛いけど温泉が染み渡る。温かいご飯と鯉こくや川魚の刺身や塩焼きをおなかいっぱい食べて眠ってしまった。

 

考えてみたら、朝4時に家を出て160km走って、さらに峠道を40km10時間以上歩いて、朝6時ごろに下りを45kmすってんころりんしながら、トータルで30時間以上走って、宿に着いて眠ったのだから、よく眠れるはずだ。梅酒に酔っ払ってそんなことを思い出していた。ランドナーなんて、今では重くて乗る気にもなれないが、川越の倉庫にしまってあるはずだ。最近はカーボンフレームのロードレーサーばかりだな。今時はロードバイクって言うんだったっけ。風呂入って寝ちゃお。ではでは。