クマさんのバイク専科

日曜日の夜「麒麟が走り去った!」

毎週日曜日の夜に放送している大河ドラマ、緒形拳さんの「太閤記」のころからのファンだ。大河ドラマといえば重厚な時代劇、新シリーズが始まると、なんか初々しいというか、演技の下手くそな新人が抜擢されて、ベテラン俳優や歌舞伎役者との組み合わせで、1年間の物語が進行していく。そんな収録の流れの中で、どんどん新人さんの演技が上手くなっていくのが楽しみだった。

 

俳優だけじゃなくて、プロデューサー、ディレクター、原作者、脚本家、演出者の組み合わせでも、大河ドラマの雰囲気が変わるのも楽しみだった。歴史の表に出ている英雄ばかりでなく、物語のバックグラウンドにある女性たちや、存在していたかも確認できない、架空の人物設定も面白く、武将の周りに焦点を当てた時代劇も新鮮で面白かった。ベテラン俳優は競うように堂々と実力を発揮して存在感を示し続けて、その俳優なりや、演出家の解釈に沿った登場人物を築き上げている。竹中直人さんの秀吉へ乗り移ったような「心配ご無用」の演技もすごい迫力だった。

 

歴代の大河ドラマは、源平の頃や、室町や鎌倉幕府の時代、武士が台頭した戦国時代や、幕末に題材が集中していた。歴史小説が原作のドラマも面白かった。しかし、昨年の大河ドラマはちょっと違っていて近代オリンピックの日本への招致がテーマだった。ちょんまげがない大河ドラマにはみんなが驚いた。2020年の「お・も・て・な・し」オリンピックの前年ということで、クーベルタン男爵が提唱した、「戦争を一時停止して集まってスポーツで平和を実現しよう」という理念の、近代オリンピックの日本開催の苦労話しという物語だった。

 

嘉納治五郎という、講道館柔道の創始者が登場人物で、この人が、日本の古来からの武術を統合して、柔術として理論的な解説を確立して、海外への移動手段が船しかない時代に、近代化して、世界に広めることに成功している。脚の速い登場人物がメインの気もするが、実は日本のスポーツの扉を開けたのは、講道館の加納先生だったのだ。当時、貨客船に乗って2ヶ月以上の船旅でヨーロッパやスイスのジュネーブ入りして、オリンピック招致活動を国際会議で行なっているのだ、ちなみに加納先生は何度目かの渡航の帰りの船の上で亡くなっている。

 

戦前に東京オリンピックの招致に成功しているが、平和のスポーツの祭典は皮肉なことにイタリア・ナチスドイツ・日本の三国同盟軍とアメリカ・フランス・イギリス・中国・ソビエト・オーストラリアなどの連合国との戦争のために、この話しは流れて、太平洋戦争後の敗戦から19年後の1964年、昭和39年に東京オリンピックが開催されたのだ。そして2回目の東京オリンピックで盛り上げよう、盛り上がるだろうと企画されたのが、大河ドラマの「韋駄天」だったわけだ。

 

だけど、大河ドラマ初の近代劇は、数値的には大ゴケでした。やっぱり、日本人はNHKの大河ドラマといえば、源平の時代、戦国時代か、幕末というイメージだったのだろう。韋駄天は最初から最後まで低迷は続いた。それだけに、次の大河ドラマへの期待は大きかった。メインテーマは明智光秀となった。娘は細川家に嫁いだ美人で有名な細川ガラシャ(キリスト教名)だ。

 

織田信長に将軍を取り持って、京都への進出を果たし、小笠原流の礼法を指南するなど、織田の軍団の中でも旧臣をしのいでもっとも有能な武将となって大名になった。ところが、どういうわけか本能寺の変を起こして、信長を暗殺してしまい、裏切り者の誹りを受けることになった人物で、毛利と対峙していた秀吉は、毛利と急遽講和して、中国大返しという迅速に移動した大軍団に、京都の山崎で滅ぼされてしまう。

 

タイトルは「麒麟がくる」、朝の連ドラでスコッチウイスキーのブームがやって来た。イギリス人のヒロインを採用したことでも話題になった。お酒のメーカーはそれ以来大人気で、製造する原酒が足りないほどの活況を呈している。今度は岐阜とか京都に観光ブームが起こるのだろうか。ニッカウイスキーも、サントリーも番組の影響で恩恵を受けたが、さらに、海外での日本のウイスキーの、年代物の評判も高くなり、生産量が限られている高級ウイスキーのボトルの奪い合いになって、投機の対象になるほどだという。山崎の里といえば明智の地元で、そこには鳥居さんが起こしたサントリーの醸造所がある。

 

「麒麟」と言えば、キリンシーグラムだが、ビールメーカーであり、清涼飲料メーカーで、御殿場の自衛隊富士学校へ行く手前にはウイスキーの醸造や保管倉庫がある。まるで、毎週うちの宣伝をNHKのゴールデンタイムにやってもらっているみたいと、キリンの広報がいうくらいの反響があるというのだ。大河ドラマとはまるで関係がないのに、視聴率とは恐ろしいものだ。時代劇を求めていたところにフィットして、人気が上昇している今回の大河ドラマ、NHKは番宣にも気合いを入れている。土曜の午後1時に地上波では前の週の再放送があって。BSではちょっとフライングで今週の「麒麟がくる」を見られるのだ。今日は日曜日、8時から地上波での放送がある。楽しみにしている人は多い。今日は斎藤道三が息子と戦になって殺される日だ。納棺師で話題になった俳優が演じるマムシの道三入道が闘死する。僕にとってモッくんは、サントリーの伊右衛門茶のCMキャラクターだけどね。

 

先日放送されたプロフェショナルだったかな。密着取材が放映されていて、家族に乾杯の出演も、「麒麟がくる」の番宣ぽかったけど、なるほどねっと見ていたので、今日は見逃すことはできないと、8時にはNHKに合わせて待っていました。サトイモさんも NHKにチャンネルを合わせて「麒麟がくる」を待っていたそうです。タイトルが始まったところまでは覚えているそうですが、眠くなって来て、気がついたら道三が闘死しちゃっていたそうです。「麒麟はきたけど走り去っていた」そうです。

 

そういえば、NHKから1年分前払いの請求書が来ていたので明日払い込もうっと。「麒麟がくる」を合法的に見たいからね。最高裁まで行って未払いの人が敗訴して料金の支払いの義務が認められているからね。それに、民放ができそうにない、長期取材やNHKの報道の調査能力を信じているし、リスペクトもしているし、素晴らしいドキュメンタリー番組もあって、面白いドラマも作っている、いろいろあるだろうけど、1視聴者としてNHKを支えたいからね。僕は素直に払いますよ。そして今週は今川義元を、織田信長が桶狭間で破るという回だ。ボケーと見ていたら、麒麟は来週から来れなくなったみたいだ。大河ドラマは収録ができず、3週間は大河ドラマのアーカイブだという。せっかく登場人物を覚え始めて面白くなってきたのに、残念だな〜。ではでは。