クマさんのバイク専科

世論調査では五輪中止が70%だった!

新聞の世論調査によると、オリンピックの2021年の夏のオリンピックの開催の可能性を、国民は70%が中止と思っているという。その理由は当然パンデミックだ。日本は自粛が解除されているのだが、それは日本だけの話で、ホストシティの東京では感染がくすぶっている。落ち着いたと宣言しているアジアの国も、経済活動を再開したが、第2波のリスクに脅かされて、クラスターをモグラ叩き状態で、再流行のリスクを抱えている。オリンピックの参加国は200前後で、開催すれば、世界各国からアスリートや役員や観客がやってくる。

 

これから新型コロナ肺炎の第一波が始まっているという国が、南米やアフリカにあるし、北米でも経済活動再開で1日の感染者が1000人単位で発覚して、感染者数が終息へ向けて減っている状態ではない。南米のブラジルでも治る気配はない。心配していた状況になっている。現実に医療崩壊が始まっているというより、崩壊する医療インフラそのものがない国もある。世界的なパンデミックの終焉が見えてこない状況があり、それに目をつぶって、スポーツの祭典を、命がけ、感染防止対策をするから大丈夫というのを信じていいのか?。東京大会の経費は2兆円だ3兆円だと、言われていて確定できていない。さらに延期費用も加算される。

 

開催費が高騰していて、経費の莫大さに、そんなお金は福祉に使えと国民の理解が得られないと、開催国に立候補したものの、辞退国が現れている。IOCは表向きには経費の圧縮を推奨しているが、放映権収入を考えると、イベントは派手な方がいいので、実際には野放し状態だ。今更、簡素化やコンパクト化できるのなら、最初からそうすべきだったんじゃないのかという、そもそも論が浮かび上がって来た。日本選手権規模の辰巳のプールで競技開催には十分だったはずだ。オリンピックだから観客席がもっと必要というような、規定で会場を新しく作るようなことはなくした方がいい。

 

漕艇場だって戸田の改造でよかったんじゃないか、有明のテニス会場も前のままでよかったんじゃないか。オリンピック特需で、デベロッパーを喜ばせるだけだ。オリンピックに関係あるのか疑わしい、便乗工事も限りなく実施されている。強行開催される意味を考えるべきだ。アスリートの安全、日本へ見にくる観客の安全、日本国民の安全をIOCや開催地は保証できるのだろうか。オリンピアンのコメンテーターは、オリンピック中止の方針の都知事候補になってほしくないと言っていた。オリンピックに向けて努力している選手の側から見ればその通りだろう。だけど、パンデミックの状況を見れば、日本での終息感や油断とも思える、一段落感で開催方向へ誘導して大丈夫なのだろうか。

 

感染の沈静化が認められた、アジアやヨーロッパの行き来が自由になって来そうな感じだが、現在は経済を動かすためのビジネスユースが許されようとしている。だから、オリンピックが安全に開催できるという保証は全く成り立たない。これ以上、日本に感染者を入れないシステムが構築できるのだろうか。ワクチン製造の競争が激化しているが、7月までに世界に配れる、安全なものができるのだろうか。かなり厳しい話だ。インフルエンザのタミフルみたいな特効薬、治療薬が見つかるだろうか。戦う武器は呼吸を補助したり、血液を取り出して酸素供給する数の限られた装置、PCR検査だけでは、感染者の分別や、リアクティブな治療はできても、感染を防止抑制できる分けではない。

 

野球、サッカー、ゴルフ、プロスポーツは無観客で始まり、もう直ぐ制限付きで観客のいるイベントも始まろうとしている。経済的な復興と、感染予防とのバランスを取ったという、東京都は日に50人オーバーの感染者が、今日は200人越えという、病床は確保されているとは言え、第2波が来たら医療インフラのキャパシティは微妙な状況だ。治療や予防薬もない段階で動き出そうとしている。どれが正しい選択なのか分からない。世論調査の結果は日本人のオリンピック開催に関するリスクを心配している素直な気持ちを表しているのだろう。平和ならスポーツを見たい、イベントを楽しめるのだが、1000人近い死者を出しているのだから、あえて感染リスクを広げる可能性を避けたいというのが本音ということだろう。

 

オリンピック開催ファースト、オリンピックビジネスファーストではない、近代オリンピックの、平和の祭典、アスリートファーストの原点へ帰るべきだ。主要な北米のスポンサーの意向での真夏の開催とか、北米のゴールデンタイムに合わせた不自然な決勝競技スケジュールなどを見直したり、施設の設置費用の巨大化など、一旦立ち止まって、世界中がオリンピックの存在価値や、適正な規模や、一部の人や豊かな地域や、特定の人種しか取り組んでいない実施種目も考えてみる、いい機会ということも言える。乗馬、射撃、サーフィン、ブレークダンス、Eスポーツは競技として必要なのだろうか。

 

オリンピックが中止になれば、オリンピックの日本代表を目指して頑張って来た人たちの、モチベーションを木っ端微塵にしてしまうことになる。しかも、日本開催ということで、その集中力は半端じゃなかったはずだ。母国開催なんて一生に一度の機会だったはずだ。苦しい思いをして上って来て、崖から突き落とされたようなものだ。その精神的なケアも絶対に必要になる。JOCの会長はモスクワ80不参加の経験があるが、コーチも監督も未経験の出来事だけに、どう対処すればいいのだろうか。

 

モスクワ80の場合は、政治的問題で不参加だったが、今回はオリンピックそのものの中止という問題だ。いずれにしろ日本代表に選ばれた選手やサポートするスタッフの、4年間の努力が無になるのだ。開催するにも、中止するにも、単なる経済的なダメージだけではないという、ただ実行委員会を解散して撤退するだけじゃ済まない、大きな決断であることを、IOCも、国も、開催都市も覚悟して決めなければいけないのだ。インバウンドの経済効果狙い、オリンピック開催の名誉なんてことじゃない、重い決断をもう直ぐすることになる。

 

都知事は当選の挨拶に行って、首相とオリンピックとパラリンピックの開催について、開催の意思を表明している。施設の使用スケジュールも確保されているという。世界のパンデミックの情勢を考えれば、首相や都知事が何を表明しようと、代表に選ばれているアスリートは、五輪の延期が発表されて、2021年の7月へ向けて気持ちを切り替えてピーキングに取り組んでいるはずだが、パンデミックの終焉が見えてこないし、感染の防止策や治療の決め手がないので、中止の可能性が語られるようになって、不安に思っているだろうな。ではでは。