クマさんのバイク専科

スラムのe タップが3ヶ月で自然放電していました!

ピナレロの旧型のパリにセットしているスラムのeタップは11段スプロケット仕様で、カンパニョーロやシマノの11段スプロケットと互換性があり、インデックス変速できます。使用前に専用のリチウム電池を取り外して、専用の充電器にセットして1時間半かけてフル充電しました。これでどのくらい走れるかを試しました。1ヶ月に100kmを8回走ってもまだLED は緑の点滅で100kmくらい走れました。変速回数によって走行距離は大きく変化するようです。

 

eタップはバイクを動かすとセンサーが感知して、スイッチが自動的に入って変速できるようになります。バイクが動かなくなると自動的にスイッチが切れるようになっています。バイクをクルマに収納して移動する時は、自動的にスイッチが入り、待機状態で電池を消耗させるので、電池を外しての移動がメーカーに推奨されています。電池の端子の樹脂製カバーと、変速機側の端子の樹脂製カバーが用意されていて、移動中はそれを付けて保護することが推奨されています。

 

eタップのフロント変速は、左右の変速レバーを同時に内側へ押すとインデックス変速します。左右の変速レバーを同時に押すと、チェーンが現在かかっているチェーンリングの位置から、モーターの力でチェーンを押すチェーンケージを動かして、素早くチェーンを内外へ移動してインデックス変速します。フロントのインデックス変速の回数は、リヤのインデックス変速より少ないので、専用電池の消耗は少なく、リヤ変速機の電池が消耗して動かなくなっても、フロント変速機の電池が生き残ります。

 

専用の電池は前後変速機で共通なので、フロントをインナーギヤに変速してから、フロント変速機の電池を、リヤ変速機の電池と入れ替えれば、リヤ変速機を左右のレバーでインデックス変速できて、上り坂にも対応して走ることができるようになります。フル充電した状態でバイクを放置して電池の消耗具合を確かめました。2ヶ月目はスイッチを押してLED で確認すると半分残っていて前後とも作動しました。3ヶ月目に変速するかを確認すると、電池が自然放電されて空っぽになって前後とも作動しませんでした。

 

フル放電状態からのフル充電には1時間半から2時間かかります。スラムの専用充電器のプラグ側にはUSBのジャックが2つあります。充電器のクレードルはセットに1個付属しているので、クレードルをもう1つ手に入れれば、同時に前後の専用電池をフル充電することができます。e タップは電池が無くなっていても、インデックス変速の設定を記憶しています。フル充電した専用の電池を、上下の取り付ける向きに注意して、リヤ変速機とフロント変速機にフックして固定するだけで、e タップのインデックス変速は復帰します。

 

eタップの左右のブレーキ&変速レバーのブラケットには、2032のボタン電池が1個組み込まれています。この電池で変速レバーの操作の信号をワイヤレスでリヤ変速機とフロント変速機に送信して操作します。電池の寿命は1年から2年で交換が必要です。転倒などでリヤ変速機をヒットした時に、シマノのDi2もカンパニョーロのEPSも自動的にキルスイッチが働いて、パンタグラフ部分をモーターで作動させるクラッチが抜けたようになって、メカの破損を防ぐ構造になっています。

 

カンパニョーロのEPSは、手でリヤ変速機のプーリーケージを外側へ押して、緊急モードを解除できます。シマノのDi2は、インジケータのボタンを約5秒間長押しすると緊急モードから解除されて、前後とも元のようにインデックス変速します。スラムのeタップには、そういう緊急モードの構造は組み込まれていません。チェーンが斜めがけになった時に、斜めにドライブするチェーンとチェーンケージが接触するのを避ける、フロント変速機のチェーンケージを内外に自動的に動かす、オートトリム機構も組み込まれていません。

 

斜めにドライブするチェーンがチェーンケージと接触しないように、パンタアームと専用設計のチェーンケージが特殊な動きをして、オートトリム機構が無くても、チェーンタッチを防ぐ設計になっています。ローギヤ×インナーギヤ、トップギヤ×アウターギヤで、フロント変速機のチェーンケージがチェーンタッチしないように、向きとストロークを慎重に調整する必要があります。ではでは。