クマさんのバイク専科

ドクターIさんの奥様が黒姫合宿に初参加!

軽井沢でドクターとして勤務していたデローザ&イタリアンパーツラブのI さん、海外の病院勤務になったと思ったら、日本へ一時帰国したときに、黒姫高原るんるん合宿へ参加していました。今は、埼玉県へ勤務先が変わっています。6月の黒姫合宿には、同じくドクターとしてフルタイムワーカーの奥様を連れての参加でした。たまたま2人のお休みのタイミングが一緒だったそうで、スポーツカーの後ろにキャリヤを取り付けて、2台のデローザを載せて黒姫高原へ移動してきました。

 

奥様のデローザは旦那さんからのプレゼントだそうです。だからデローザにカンパニョーロのコンポーネントの仕様なんですね。フィッティングのためにバイクを固定式のローラー台へセットして、20分間、軽い負荷でウオーミングアップしてもらい、ペダリングを見て、奥様のバイクのフィッティングを開始しました。ここ数年で、このデローザに乗ったのはクルマのいない軽井沢のローカルで2回だそうで、走行距離は50km以下しか走ったことがないそうです。特別スポーツの経験はないけど、趣味でバレーをやっているそうです。

 

体脂肪の少ないボディ、体を支える体幹や脚の筋力は鍛えられているようです。心肺機能も普通ではないことが午後のポジション確認のライドで分かりました。さすがわ、体の細部までの動きを気配りするバレリーナです。フィッティングしていて、クリートやサドルやハンドルの位置をmm単位で微妙に動かすと、体を動かす感覚の違いを細かく意識できるのです。クリートの位置の移動、サドルの前後位置や高さや取り付け角度、ハンドルの取り付け角度やブラケットの位置、グリップ位置の遠さなど、バイクのポジション設定の変更で感じたことを、適確に言葉で伝えてくれたのには驚かされました。

 

フレームサイズが小さいのでシートチューブが立っている設計で、標準装備されているシートポストでは、サドルの前後位置を最適な位置へ移動できませんでした。サドルは女性ライダーのアドバイスで選んだという、セライタリアの穴あきでパッドの厚い女性モデルです。毎分80回転できる負荷でペダリングしてもらい、自然に移動した、踏めて回せる腰の位置を見極めました。現在のサドルの位置より20mm近く後ろへ引かないと、クランクを回せて踏み込める腰の位置にフィットしません。

 

現在の位置ではサドルの位置に制約されて、腰が前に固定されていました。腰椎もかなり湾曲していて、背中もブリッジ状に曲がっていて、座骨の前傾ができていないので、臀筋や太ももの後ろ側や腸腰筋を動員してパワーを発揮しにくい姿勢でした。WRのRSRの31、6mm径のカーボンシートポストを取り付けて、セライタリアのサドルをセットして、サドルを後ろへ20mm引いて、股関節周りの詰まり感による、脚の動きの停滞を解消して、クランクを回しやすい設定にしました。サドルの上の面の前寄りを8mm前下がりに設定して、腰のサドルへの固定力を増す、骨盤が前傾する角度になっても、性器への圧迫が少ない設定にして、お尻の痛みの発生を解消しました。

 

サドルの高さは、下死点で足を真っ直ぐに伸ばした時に、足の甲が水平になる高さに調整しました。これで、下死点の脚の通過もスムーズになって、自然にペダリングのケイデンスは上昇しました。サドルを20mm後ろへ引いた設定にしたので、ハンドルやブラケットのグリップの位置が遠くなると思っていたようですが、実際に走ってみると、骨盤に接している腰椎や背骨の曲がりが解消されて上半身を支えているので、むしろグリップ位置が近く感じてリラックスできるポジションになったそうです。

 

午後は黒姫高原から、斑尾高原スキー場へ上るコースを走りました。4%から6%のけっこうな勾配の長い上りのコースを走りました。旦那さんがセットしていたローギヤ25Tにインナーギヤ34Tの組み合せで上り切ってしまいました。みんなはローギヤ32Tや34Tを使っているのにです。体重が軽いのと、負荷が高くても踏み続けられる筋力、心肺機能も高くて、走れてしまいました。ローギヤ25Tなので、29Tや32Tローギヤなど、もっと軽めのギヤをセットしていれば、もっと楽に走れて、黒姫高原、戸隠高原、飯綱高原などのアップダウンコースを走れてしまいそうです。このポジション確認のライドを走り終わっても、脚や首や肩や腰のこりなどの痛みがなくなったそうです。

 

上り坂を走ればつきものなのがダウンヒルです。奥様はダウンヒルでのスピードコントロールで、ブレーキレバーを引く手が疲れてしまい、スピードを出して下るのが恐くなって途中でリタイヤとなりました。というわけで、シマノのストッピングパワーの強力な、3支点のデュアルピボットのブレーキキャリパーへの交換と、樹脂コーティングブレーキケーブルへの交換で、フリクションを減らしたり、リターンバネの調整などで、ブレーキレバーの引きを軽くしたり。ローギヤのスプロケットが大きなものへ交換して、上りで脚にダメージを受けにくいチューニングを提案しました。また一緒につくばや黒姫を走りましょう。ではでは。