クマさんのバイク専科

クマジジイのサイクルコンピュータ物語

現在のサイクルコンピュータの主流はガーミンのシリーズです。携帯式のGPSのメーカーだと思っていたら、どんどん進化を始めて、液晶画面の画素数やカラー化など性能がアップして、GPSのチップが小型化したり省電力化されるたびに小型軽量化して、可動時間も伸びていきました。そして、ついに腕時計サイズに埋め込まれるGPSチップやか速度センサーが登場すると、ガーミンのサイクルコンピュータが大きく進化して、市場シェアを大きく伸ばしています。

 

ガーミンのサイクルコンピュータの機能は、走行速度や走行距離、スピードやケイデンス、斜度、獲得標高、心拍数、電動メカやガーミン本体の電池残量表示、そして走行ルートの記憶、または走行ルートの表示など、圧倒的な進化をします。これにパワー測定のデバイスを加えて表示すれば、鬼に金棒的なマルチ機能のサイクルコンピュータになります。マルチ機能と言えば、ガーミンの強力なライバルになるのがスマートフォンです。GPS にしても、サイクルコンピュータの機能をダウンロードすれば、ワイヤレスで検知デバイスと連動して、ガーミンと同じような、多機能のサイクルコンピュータ化が可能です。

 

この2つのデバイスのもっとも問題になるのは、まだまだ消費電力が大きくて、本体に組み込まれている充電池の容量では、1日中稼働させることができないので、別に電池を供給するユニットをフレームに取り付けたり、バッグに用意して、コードを接続して電源を供給しながらの運用になることです。さらに、ライドを終了してからの本体の電池への充電も行うことになります。しかし、それは携帯電話の充電と同じで、習慣化してしまえばそれほど苦にならないと思います。

 

雨のライドではガーミンもスマートフォンも、気になるのは精密な電子機器なだけに防水性です。ガーミンは完全防水とまではいきませんがアウトドアでの使用に対応しています。スマートフォンは音声信号の取り入れ口や、電池周りやスイッチ類に水の浸入の可能性がありますが、中にはかなり防水性の高いモデルもあります。iPhoneの中にも防水性の高いモデルが登場しています。今までは雨が降り出すと防水できる場所への収納が一般的でしたが、バイクライドで使うことを考えれば、防滴仕様や防水仕様のモデルを選んだ方が安心です。

 

フィンランドのポラールが心拍計機能付きのサイクルコンピュータをワイヤレスで発売した時、オールインワン機能で、うわーいい感じだなと思ってすぐに手に入れました。腕時計のような形状の本体が約5万円、スピードセンサー付きで、ケイデンスセンサーがオプションでプラス8000円くらいでした。スピードセンサー、ケイデンスセンサー、心拍センサーからワイヤレスで信号が腕時計型のサイクルコンピュータへ送信されて、小さな液晶画面へ同時に3つのデータが表示されました。データのモードの切り替えは4つか5つのボタンで行いますが、それが少し複雑で覚えて使いこなすのが大変です。

 

記憶装置には、心拍数の変化、ケイデンスの変化、総走行距離、その日の走行距離が残り、走行後に本体でもデータをチェックすることができるし、専用ソフトをダウンロードしたパソコンにデータをインストールすることで、データをグラフ化して評価することもできました。使っていれば1年半か2年で本体もセンサーも電池交換が必要になります。本体の電池交換はプールでの心拍数の測定などに対応する、高い防水性のキープのためにメーカーへ送って交換することになっていましたから、購入したショップに持って行くことになります。

 

速度とケイデンスのセンサー部分は、1年から2年で電池が消耗して、タイラップでフレームに固定しているのを自分でバイクから取り外し、ネジを緩めてカバーを分解してボタン電池を交換することができました。本体の電池が切れると何度かメーカーへ送り交換して使いましたが、面倒になって使わなくなりました。現行モデルは電池を消耗すると、センサーごと交換する構造になっています。このサイクルコンピュータを使っていると、確かに心拍計の数値は運動強度の客観的な把握に役立ちます。繰り返し使っていると、LSDレベル、ミドルレベル、スプリントレベルなどの運動強度と、実際の運動中の心拍数との関係が見えてきます。

 

運動強度の変化は、体感的なことともリンクしてきて、向かい風、平坦コース、上り坂などで、どのくらいのスピードをキープして、ここではこのくらいのケイデンスで、心拍数はこのくらいの方が疲れにくく効率がいいと理解できるようになります。心拍計やスピードやケイデンスの数値を見なくても、運動強度や効率良く走れるバランスを把握できるようになり、ロングライドなら運動強度をコントロールして効率良く走れるようになります。時々心拍計を付けて走って運動強度の変化を確認しても、ターゲットゾーンを大きく外れていることは無くなりました。

 

GPS 機能の付いているガーミンも1年間ぐらい使いましたが、使うたびに充電したり、1日走っていると電池切れになったり管理が面倒になり、つくばや埼玉や厚木周辺や長野のライドに使う道はだいたい把握していて、頭に入っているのでGPS の必要性を感じなくなって取り外してしまいました。と言うわけで、今使っているバイクの全てのサイクルコンピュータは6000円くらいのキャットアイのスリムです。シンプル機能で走行距離の確認と、今何時という確認だけに使っています。時々平坦コースで走行スピードと、体感スピードとのズレの確認をしていますね。ボクはこのメーターのデータで充分です。

 

運用しているバイク5台とも同じ速度センサーがフロントフォークの同じ高さに接着してあるので、前輪はどれも同じ位置にシマノのセンサーマグネットを接着して共通化させて、スリムのサイクルコンピュータを使えるようにしています。ステムの突き出し部分にはスリムようの台座を付けています。5個のスリムは、ヴェロフレックスのクリテリウムチューブラータイヤを標準に、700Cの23mmタイヤ用にタイヤ周長を設定しているので、速度も走行距離も、どのスリムを使っても問題なく同じ数値が表示されます。

 

と安心していたら、ピナレロのパリに取り付けていたスリムの速度や走行距離の表示がおかしくなりました。本体か速度センサーの電池切れなのか、2032の電池を両方とも入れ替えて、本体裏のリセットボタンを押して、設定をやり直しました。モードボタンを押してkmにセット、タイヤ周長を2096の23mmタイヤの対応にセット、時計の24時間と12時間の表示をモードボタンを押して選び、セレクトボタンを長押しして、時計モードの時間の数字を点滅させて、時をセレクトボタンを短く押してセットします。

 

次は分をあわせるために、セレクトボタンを長押しして分の数字の点滅に切り替えて、セレクトボタンを短く押して分を合わせ、モードボタンを押して時間を確定させて、これでスリムのサイクルコンピュータの設定は完了しました。ところがです、走ってみたら、突然ですがどんなに頑張っても20kmになりません。体感的には30km以上出ているはずなのに16kmの表示です。ちゃんとタイヤ周長は設定したのにこの状況です。電波障害の起こる場所でもありません。これはサイクルコンピュータの故障です。新しいスリムを手に入れて山崎店長にアドバイスしてもらってセットアップして、台座に取り付けると問題なく作動しました。

 

軽いし、ワイヤレスだからコード切れの心配もないし、電池はサイクルコンピュータ側も速度センサー側も1年以上持ちます。防水性は今ひとつだけど普通に走っていれば雨でも大丈夫です。取り付け位置はステムの突き出し部分へ、台座を加工して1本のタイラップで止めています。気を使うのはフロントフォークブレードの内側へ両面テープで張った速度センサーと、前輪のエアロスポークに瞬間接着剤で固定した、シマノの小さく強力なネオジム磁石を採用したセンサーマグネットとの上下の位置や間隔の調整ぐらいです。

 

フライトデッキの速度センサーとエアロスポークホイール用に用意されているセンサーマグネットです。エアロスポークへの接着を忘れると、スポークから簡単に外れて無くなることもあるし、いつ生産されなくなるか分からないので10個くらいキープしています。さらにキャットアイのワイヤレスのシンプル機能モデルには、液晶画面の大きいモデルもあって、マルチ機能で同時に表示される数値が大きいので、走りながら確認しやすいと、大き目のサイクルコンピュータ流行もあって、かなり人気があります。ではでは。