クマさんのバイク専科

チタン合金製のカッコいいステムが欲しい!

ITM、チネリ、アイビス、タイテック、ライトスピード、モラッティ、セブンなどのチタンステムを使っていましたけど、チネリのグランモはスレッドとスレッドレスがありユニークなデザインでした。凄かったのはやっぱりアメリカのアイビスのステムでしたね。でしたねなんですよ、まったく残念な事に。チタンのステムはなんで現在メインストリームにいないのか。そう、それは製作はハンドメイドでえらい手間暇がかかり、ステム専用のチタン合金製のチューブの素材も含めて、高価になってしまうからです。だいたいですが3万円から7万円くらいです。

 

その中でも最高に気にいっていたのは、オーダーメードで作ってもらったアイビスです。当時のオーナーご夫妻が日本に来て一緒にツーリングした時に発注して、1年がかりで出来上がってきました。ポリッシュ仕上げの115mmの73度ヘッドアングルのステムは精度も仕上げもパーフェクトでした。今では、アイビスブランドは経営者が換わってしまい、手作りのチタンステムは製作していませんが、溶接職人が1本1本作っていた、当時のチタン合金製のステムは凄かったです。

 

アイビスはユニークなチタン合金製のMTB フレームを作っていました。ステムはオーダー確定から製作に1年かかる、突き出し寸法やライズをオーダーできるものと、10mm刻みの73度対応のスタンダードモデルがありました。ティグ溶接されているビード部分は、さらにフィレット溶接されてロー材が盛り上げられて、そこからリューターでスロープ状に削り込まれてから、ぴかぴかにポリッシュ仕上げされた、パーフェクトな仕上がりは今でもピカイチです。ステムはスレッドステムと、後期にはスレッドレスのものがあり、表面仕上げは渋いサンドブラスト仕上げと、ぴかぴかのバフ仕上げがありました。

 

アイビスはステム用にチタン合金製のチューブを注文して製作してもらっていたそうです。特にバーをクランプする部分は肉が厚いチタン合金製チューブの両端を削り込んで、センターへ向かってテーパー状になっている手のかかったものです。現役のバイクで使っているのはライトスピードが作っていたスレッドレスのシングルクランプの粘りのあるチタン合金ステムです。90mmから120mmまで10mm刻みでデッドストックものを手に入れました。ハンドルクランプ径は26、0mmです。

 

ハンドルの着脱は、バーに傷をつけないようにクランプ部分を広げて作業するのでけっこう大変です。チタン合金はヤング率は高くないけど、溶接後の熱劣化も少ないし、製品として強度もあるのでチューブの外径を細く絞れるし、アルミ合金性やカーボン製のステムよりスマートなルックスで、しかもチタン合金のナチュラルカラーがなんとも魅力的です。ライトスピードのステムのフォークコラムのクランプは、2本のボルト締めでしっかり固定できます。ただし、クランプ部分の水平などの精度にばらつきがあるので、チェックしてから使うようにしています。

 

現役でチタンステムを作っているところは数社あるようです。セブンがもっともカッコいいけど、7万円くらいで、オープンクランプのスレッドレスタイプのステムを、突き出し寸法とライズのオーダーを受け付けてくれるみたいです。カーボン製のステムって剛性や強度確保のためのデザインで魅力的なモデルが少ないんだよな。380mmから440mm幅のハンドルバーのストロークでかかる力を受けるので、ステムの強度や剛性を考えるとボリューミーなデザインになりがちで、今まで見たモデルはスマートさと軽さがダメな感じです。

 

やっぱり鍛造のアルミ合金製かチタン合金製がいいな。アメリカのチタン合金ステム製造ブランドやビンテージやレアもののサイトを見ると、まだまだ色々あるみたいですけど、思ったサイズやライズのステムを手に入りにくいことは確かです。重量はアルミ合金製より重いのに、なんでチタン合金のステムって魅力的なんだろう。ではでは。