クマさんのバイク専科

ニュートラルであることの大切さ!

母が唯一雑誌を購読していたのが暮らしの手帳という本でした。まだ小学生でしたけどこの本を見ると、いっぱい同じような製品が紹介されていて、市販価格、その他色々な調査項目があって、製品の評価が書かれていました。製品テストは1回とか使ったインプレッションではなく、必要なら1ヶ月とか使ってみて、経年変化しないかなど、手間がかかっていることが分かりました。この本の内容に不思議な感じを受けました。

 

アイロン、テレビ、洗濯機、洗剤、石鹸、家電品からキッチン用品まで製品テストしてはっきり評価が書かれていました。なんで不思議な感じがしたのかと言えば、小説でもないのに、雑誌に広告が1つも入っていませんでした。日本にも暮らしの手帳があるように、コンシューマーレポートがアメリカにはあります。暮らしの手帳でクルマの評価はしていなかったと思いますが、クルマ大国のアメリカには、そのニーズがあるわけで、アメリカで販売されているクルマをジャンル別な評価のランキングとポイントが発表されます。

 

クルマの消費行動に影響があるという、クルマの燃費、静粛性、衝突安全性、自動ブレーキ、自動操縦装置などのテストを実際に行った数値も含めて、テイストも含めた評価が発表されて、10部門中の6部門で日本車が最高評価を受けています。日米いずれのメディアもスポンサー広告無しのニュートラルな姿勢を貫いています。つまり、製品を普通に購入して、ありとあらゆる試験や評価をして、その評価の情報を買ってくれる人がスポンサーなのです。ニュートラルな立場で書かれたレポートだからこそ信用できるという、原則が貫かれています。

 

少しオレとは違いますが、サイクルフェスティバルのゲスト選びで思ったこと。自転車をコミュータとして都市交通へ組み込んだり、スポーツや趣味として取り組んでいる人達を増やそうという動きもあります。地域経済の活性化として、自転車を利用したイベントを開催する自治体が増えています。自転車宣言都市などの謳い文句でアピールしている市や県もあります。サイクルフェスティバルへ一般のお客様が参加するのにお金はいりませんが、会場へ出展する完成車メーカーや卸屋さん、サイクルショップは、出展スペースの広さに合わせて料金を払っての参加になります。製品を販売して料金を回収したり、PR 活動としての出展となります。

 

サイクルフェスティバルにはトークイベントも用意されます。来場する人を想定してマッチするタレントをフューチャーする分けですが、サイクルフェスティバルと言えば、という芸人さんが呼ばれていました。ところが1つ問題が発生です。その芸人さん、ある完成車メーカーのバイクに乗り、そのロゴ入りのウエアを身に着けて、テレビや雑誌などに登場しています。それを買っているのか、提供されているのかは定かでありません。でも、ライバル社に当たる出展社の広報担当者は彼のステージへの登場をどう思うでしょう。

 

そのブランドのカラーを帯びた芸人さんがステージに上がる時に、他社の広報担当者やスタッフや、一般の来場者がその姿を見てどう思うかです。もし芸人さんがそのブランドの製品が好きで、その商品を買って使っているのなら、はっきりそれを言えばいいと思います。メーカーと芸人さん個人か事務所が、スポンサー契約していたり、製品を提供されて、何らかの露出の縛りがあるなら、主催者も人選に配慮することになるでしょうし。

 

ステージに上がる時のバイクやウエアに関して話し合いが必要になりますね。気にするメディアへの登場は制約される可能性があります。フェスティバルの主催者は、出品している他社の広報担当者の目を気にするはず。しかも、そのブランドがフェスティバルに出展していなかったらどう対応すればいいのでしょう。その芸人さんにはステージでお客さんを楽しませて欲しいけど、ブランドのカラーを出して欲しくないなと思うでしょう。

 

さて、フェスティバルの主催者は芸人さんを選びましたが、芸人さんとステージに上げるバイクや、着るバイクウエアはどうなるのでしょう。主催者はきっと他社に何らかの方法で気を使うんでしょうね。地方の自転車関連のテレビ番組でも登場する芸人さん、特定のブランドのカラーが付くことにもう少し気を使えばいいのにと思うのですが。ちなみにロックンローラーは、同級生の雑誌の編集長の仲介で、アメリカブランドのカーボンバイクを提供されたことがありましたが、所属事務所がメーカーと契約書を結び、肖像の使用権利や使用する期間などをコントロールしていました。

 

自分の使いたいものを自由に選んで使いたいから、自分でサイクルショップに出かけて買ってきたり、これを手に入れて欲しいと依頼されて買って来たこともあります。提供されたカーボンバイクの他のバイクやパーツは、普通に購入していて、高額の商品の場合は事務所から振り込まれたり、ライドの途中で欲しくなったものは、汗で紙幣が濡れないポケモンのビニールサイフから折り畳んだ紙幣を広げて払っていましたね。ではでは。