クマさんのバイク専科

ブレーキング、最初は前後5分5分でいいけど!

バイクを止めるとき、後輪をスリップさせてブレーキングしていませんか?。バイクが不安定になって後輪が流れたり、タイヤのトレッドゴムにフラットスポットを作っていませんか?。左右のアーチに支点があって、さらにフレームやフォークに止める支点がある、シマノのデュアルピボットのブレーキキャリパーですが、105、アルテグラ、デュラエース、ティアグラ、ソラではっきりブレーキの利きが違います。さらに、シートステーやフロントフォークに台座が左右に埋め込まれている、ダイレクトマウントもブレーキキャリパーの構造の違いでパワーロスが無くより利きます。

 

さらに、話題の油圧やケーブル引きのロードディスクブレーキを採用したロードバイクも増えていますから、ブレーキの利きは、バイクを止めるストッピングパワーも、スピードをコントロールする性能も、雨の影響を受けにくい面でも、さらにロードバイクのブレーキが進化していることが現実になってきています。特に油圧システムのディスクブレーキはブレーキレバーの引きが軽く、ワンフィンガーでもフルブレーキングが可能なほどのストッピングパワーと、スピードコントロールを楽にできます。

 

長いブレーキング直後の400度近くなったディスクローターに触れて火傷とか、ディスクローターの変形によるドラッグの発生、ホイール交換や着脱の時のディスクローターをキャリパーのブレーキパッドへ収めること、ブレーキパッドの消耗の見極め、オイルの交換時期など、色々ありますがロードバイクのディスクブレーキ化は広がるでしょう。

 

ところで左右のブレーキレバーはどう引いていますか?。一般的には左ブレーキレバーが前ブレーキ、右ブレーキレバーが後ろブレーキにつながって設定されています。ボクのバイクは器用な右手で細かく後ろ側のブレーキレバーの引ク力を調整したいので、右後ろの逆の設定です。スポーツバイクは、ブレーキングを開始すると、前輪荷重気味になって、前輪タイヤが路面へ押し付けられるように慣性の力が働き、後輪タイヤは浮き上がる方向に力が働きます。だから、グリップ力が高まりスリップしにくくなるので、前ブレーキをより強く利かせることができます。

 

後輪タイヤは浮き上がる方向に力が働くので、後輪タイヤのグリップ力が低下するので、強くブレーキレバーを引いてしまうと、後輪タイヤのグリップ力をストッピングパワーが上回って、スリップしてしまう可能性が高まります。だから本当は前後同じ力でブレーキレバーを引くのは止めた方がいいのです。でも、とっさのブレーキングではそんなブレーキレバーを引く力の調整をすることに気をつけることができません。特にビギナーライダーの場合は、前ブレーキが利く、後ろブレーキは利かないということに気付いているライダーは少ないと思います。

 

前と後ろのブレーキの利きの違いに気が付いていても、どう対応すればいいのか分からないライダーは多いと思います。まずは、ブラケットやドロップバーのしたを握り、腕を伸ばし、マイナスGでライダーが前へ飛び出さないように上半身を支え、腰の位置をサドルの後ろへ移動する体重移動で、後輪タイヤへ荷重してグリップを助けます。ブレーキレバーは前後とも5分5分の力で引きます。時速20km前後からのブレーキングでしたら、やや前輪荷重気味の前のめり感のあるブレーキングですが、フルブレーキングしてもわずかにストッピングパワーが後輪タイヤのグリップ力を上回り、わずかなスリップ程度で停止できます。

 

停止線を設定して、時速20kmからのフルブレーキングをして、その停止線に前輪が到達して後輪をスリップさせないで止まれるようにブレーキングの練習をします。そうすると、5分5分のバランスだったブレーキレバーの引きの強さが自然に変化します。バイクシューズとビンディングペダルの組み合わせでは、足を着く動作への移行が恐いというライダーは、最初は左足だけ普通のシューズをはいて、何度も何度も時速20kmからのフルブレーキングにチャレンジします。

 

自然にブレーキングして、後輪タイヤをスリップさせなくなるまでトレーニングを繰り返します。すると、前ブレーキ6分、後ろブレーキ4分のバランスになったり、前ブレーキが7分、後ろブレーキが3分のバランスになります。ブレーキングン慣れてきたらバイクシューズでチャレンジして、足の着脱に慣れてしまいましょう。後輪タイヤのグリップ力を探りながらの後ろブレーキレバーの引きになるので、自然に後ろブレーキの引きは弱くなります。ブレーキングを開始する寸前に、腰をサドルの後ろへ引いて、後輪加重気味にすることを忘れないでください。後輪加重になっていればスリップしてもバイクの挙動は真っ直ぐ進み安心です。ではでは。