クマさんのバイク専科

黒姫合宿の日曜日のライドはまるで夏のようなライドに!

土曜日の午後は野尻湖畔のランバージャックでお昼ご飯を食べて、午前中に調整したポジションを確認するライドを走りました。気温は14度ですが1時過ぎからの雨降りで寒くなりました。信濃町ー野尻湖ータングラム、新潟県への県境まではけっこう上りがあるコースです。タングラムを過ぎるとすぐに10%越えの部分もあります。途中の道の両脇には雪が増え始めて、タングラムはまさにスキー場ですから雪が斜面に残っていたし、そこを越えて斑尾高原へ向かう道には積雪は2mを越えています。

 

この区間では、かなり踏み込むペダリングになるので、踏みやすくて回しやすい腰の位置が出ているか、はっきり分かるコース設定です。この区間でサポートカーの中からフォームやペダリングを見て、各ライダーの修正ポイントがないかを見極めます。左へ折れて県境を越えるとダウンヒルが20km続きます。下りが苦手のライダーはブレーキレバーを引く手が疲れます。

 

実際に路面の抵抗や空気抵抗を感じてクランクを踏み込んで走ると、ローラー台のペダリングやフォームでは出なかったアクションが出ることがあります。さらに、フレッシュだった筋肉の動きと、乳酸が蓄積して来てからの動きが変わることもあります。普通のライダーは1時間も踏み踏みのペダリングには同じフォームで対応できませんから。踏み込むペダリングで、すねやふくらはぎの筋肉が疲れて、足首を支えられなくなって、踏み下ろすとき、足のカカトの下がり方が大きくなってしまい、下死点近くでの脚の膝関節の曲がりが変わり、クランクを効率良く踏み込めなくなっていたり、脚が伸びきってペダリングが停滞してケイデンスが上がらなくなるライダーもいます。

 

休憩の時にサドルの高さや前後位置をmm単位で修正することもあります。ペダリングする脚や下死点まで踏み込むフェーズでの足の向き、上死点へ向かって戻す足の動きを見て、膝関節や筋肉や靱帯へストレスが発生したり、長く乗った時に痛みが発生したりしないように微調整します。クリートの前後位置の調整や取り付け角度の調整で、脚の一部の筋肉へストレスが集中しないことを確認できたと思います。クランクも回しやすくなっています。それまでの設定より毎分あたり5回転から15回転も、同じ力で回せるようになった例もあります。

 

クランクを回しやすくなった要素は複合的です。踏めて回せる腰の位置の実現。左右の足の開き、足の内側が切り切りクランクと接触しない、Qファクターを狭く設定するクリートの内外の設定。膝から下の小さな筋肉郡への負担を減らし、足を安定させる、ペダル軸の中心の位置を母指球と小指球のラインの後ろへ設定する、クリートの前後位置の調整などです。タングラムスキー場までの長い上り坂で、はっきりとサドルの前後位置の調整の効果で、シッティングで、踏めて回せる腰の位置を出せていることを確信したはずです。ペダリングする脚にブレーキをかける、股関節周りの詰まり感から開放された、ゆとりのあるペダリングで走れるようになっています。

 

タングラムへの上りセクションでシマノのデュアルコントロールレバーのラチェット機構の引っかかりがなくなるというメカトラブルが発生したライダーがいました。トップギヤ側の3段だけインデックス変速できますが、4段目からはローギヤ側へ変速レバーを動かしても、ラチェットが引っかかりません。ここまで変速レバーの機構が壊れてしまう前に、インデックス変速の操作をしないのに変速するなどの不調が起こっていて、それに気が付いていたはずで、その段階でバイクの点検をプロメカニックにしてもらっていれば、ラチェット機構の消耗具合を見極めてくれて、交換の時期を提案してくれていたはずです。

 

メンテナンスに自信があっても、ケーブルを止める位置に通されていないなど、基本的な組み立ての間違いがあったり、調整方法を思い違いしていたりがあるので、1年に1度、または1万kmの走行の頻度でスポーツバイクはプロメカニックのオーバーホールを受けましょう。3年もヘッド小物をグリスアップしていなければ、雨が浸入したり、汗をかぶる部分なので固着して分解できなくなります。今時のハンガー小物は1万km、1年間か2年間でガタが発生して、ベアリング交換となります。とにかくスポーツバイクは走っても経年しても消耗したり劣化します。プロの技術でオーバーホールしてもらってください。

 

パーツの消耗具合を見極めてもらい、回転部のグリスアップ、シールドの交換、交換すべきパーツは交換しないと、肝心のライド中にメジャーなメカトラブルが起こる可能性が高まります。バイクのメカの調子が低下していることを甘く見ないで、相談できる信頼できるプロメカニックやショップとお付き合いすることが、自分の走りの安全のためにも、バイクのコンディションを保って長く愛用するためにも重要です。

 

入り出す前に、クリートの前後位置、内外、取り付け角度などの設定を最適化しています。ペダル軸の中心の位置が爪先よりの設定だったのを、カカトよりに移動して、踏み込む足の角度を確認して、踏み込む足の角度の時、母指球と小指球の骨を結ぶ線より2mmから3mm、ペダル軸の中心の位置を後ろに設定して、踏み込むペダリングの時に負荷がかかっていた、すねやふくらはぎの筋肉が、足首の動きを支えていたのからかなり開放されて、足が安定して楽にクランクを踏めるようになります。

 

ブラケットの位置やステムの位置を移動して、腕の伸ばした状態でも背中や腰椎の曲がりなどに無理がなく、肩や首や腕の筋肉の凝りなども発生しないように設定できたライダーは、上りで頑張っても張りがこないと喜んでいます。腕をいっぱいまで伸ばしてブラケットの先端を握りしめていたフォームは、リラックスしたものになりました。適正化されたポジションで40kmの長い下り坂と、40kmの上り坂で試すのが、信濃町から上越市の往復ライドです。日曜日の朝7時30分には朝ご飯を食べて、空気圧の調整やボトルに水を入れたり、上越市までの往復ライドの準備にかかりました。下りの速度は時速60kmに達します。40分前後で新井の道の駅へ到着です。

 

お昼ご飯を、改装したばかりの富寿司で食べて、帰り道のスタートです。国道18号を帰ることになりました。気温が28度になって真夏に近いコンディションでしたが、妙高高原駅まで一気に走りました。サポートカーの飲み物や氷はどんどん消費されました。鎖骨骨折の補強プレートを抜き取る手術を受けて軽量化した、大王Kさんはスイスイと、「追い風で快適だ〜」とアウターギヤで上り坂を走っています。ブルベライダーのN さんも40kmずっと上りにめげながらも、距離的には前菜みたいな距離なのでマイペースで走っていました。

 

ところがKさんは前輪がパンク、昨日が後輪でしたから、真新しいチューブラータイヤが2本お釈迦になりました。Nさんも前日にパンクでしたから、けっこう予備タイヤやチューブは用意した方が良さそうです。ざくそんさんのために予備のクリンチャータイヤもリザーブしてありますよ。4月の黒姫合宿では、サポートカーには予備チューブ4本、予備チューブラータイヤ6本を搭載していましたし、貸し出しホイールもありますから、パンク修理は宿に帰ってからでよく、11段の後輪や前輪なら、ホイール交換で瞬時に走りを再開できます。

 

無事に黒姫高原へ帰って、宿でお風呂に入って、夕飯のおばちゃんカレーと大盛りのサラダをたらふく食べて解散となりました。6月、7月、8月。9月。10月の黒姫合宿への参加をお待ちしています。しかし、オリーブさんの冬眠からの復活劇は凄かった。土曜日も日曜日もしっかり完走しましたから。これは、いよいよ佐渡ロングライドで置いてけぼりにされるは確実だなー。ゴールデンウイークの後半は茂木のエンデューロやつくばで走ります。ではでは。