クマさんのバイク専科

デュラエース9000と9100のデュアルピボットブレーキ

シマノの2支点のデュアルピボットブレーキのストッピングパワーもスピードコントロール性能も好評でしたが、105、アルテグラ、9000デュラエース、9100デュラエースの3支点のブレーキの評価はそれを上廻ります。3支点のデュアルピボットブレーキは、フレームやフロントフォークに固定するセンターピボット、左右にセンタープルブレーキのようなサイドピボットがあります。

 

最新のデュラエースの9100シリーズのブレーキキャリパーは、3支点のデュアルピボットブレーキで、しかもシマノのエアロ効果を狙った新型の28mm幅のリムや、25mmタイヤや28mmのワイドタイヤにも対応する、左右のアーチの開きが大きくなって、左右のブレーキパッドの開きが大きく、ワイドになったホイールの、フレームやフロントフォークからの着脱をスムーズにできるようになりました。

 

3支点のデュアルピボットブレーキと、旧型の2支点のデュアルピボットブレーキとは構造がまったく違います。2支点の旧型では、フレームやフロントフォークに止めるセンターシャフトと、片側にサイドピボットの2支点が設定されて、片側のブレーキキャリパーのアーチのテコの長さが増して、リムサイドを押す力率を高めました。2支点の旧型のデュアルピボットブレーキは、左右のアーチの見た目の動きは同じでも、サイドピボットの付いているアーチ側のみが力率アップしています。つまり、片側アーチのみブレーキパッドをリムへ押付ける力が強い構造でした。

 

3支点になった新型のデュアルピボットブレーキは、センタープルブレーキとも言える構造で、左右のアーチを同調させるローラーを介して、リムを挟む力やアーチの動きを同調させ、両側のアーチのテコが伸びた分だけストッピングパワーは強力になっています。105、アルテグラ、新旧デュラエースは同じ構造で同じブレーキパッドですが、ブレーキの利きは微妙に違います、何が違うのか。キャリパーのアルミ合金の素材はデュラエースとアルテグラが同じで、105が違います、ブレーキングした時に変形したりバイブレーションを起こさない剛性を確保するために、モデルによりアーチの断面形状が微妙に違っています。

 

ストッピングパワーはデュラエースとアルテグラは同程度ですが、ピボットの素材が違い、最高峰のデュラエースは軽量化されています。9100デュラエースは28mmワイドリム対応の設計になっても、センタープルブレーキのように左右のアーチが均等に、しかもテコが長く強力にリムを挟み込む、ストッピングパワーもスピードコントロールも優れた、3支点のデュアルピボットブレーキで、最高峰のレーシングモデルとして軽量化が追求されています。

 

20mm前後のリム幅から24、2mmのリム幅のホイールで23mmタイヤの組み合せなら、旧型の9000デュラエースでブレーキキャリパーのクイックレリーズを開放しなくても、左右ブレーキパッドとリムや田谷とのクリアランスが保たれて、スムーズにホイールを着脱できます。タイヤが25mmになるとクイックレリーズを開いた方が着脱しやすくなります。

 

パリルーベなどの悪路を含むコースでは、グリップ力やエアボリュームの大きい、25mmから28mmのスペシャルタイヤが装着されます。ホイールもカンパニョーロが24、2mmのりム幅へ移行して、シマノはエアロホイール効果を狙って28mm幅のリムへ移行しています。ワイドリムのエアロ効果を体感できていませんが、最適な7気圧から7、5気圧の空気圧に設定した、ワイドタイヤのホイールの乗り心地のマイルドさ、バイクをコーナーで傾けた時のグリップ力の高さ、そして、タイヤのトレッドゴムが路面に接地して平に変形して、路面から離れて円い断面へ戻る時に、しなやかにタイヤが変形して転がり抵抗の小さいことは理解できます。25mmのタイヤは30gくらい重くなるので、踏み出しの軽さは23mmの方でしょう。

 

9100系デュラエースから採用された、28mmリム対応設計の新型ブレーキキャリパーになると、25mm以上の太いタイヤやワイドリムのホイールでも、ブレーキキャリパーのクイックレリーズを開いて、スムーズにホイールを着脱できます。24、2mmリムと25mmタイヤの組み合せなら9000系デュラエースで大丈夫ですが、28mmリムと25mm以上のタイヤでワイド化するなら28mmリム対応の9100系のブレーキキャリパーがいいですね。ではでは。