クマさんのバイク専科

ボブタロスさんのフィッティング!、パート2

サドルの中央部分の、座骨や股関節の内側の出っ張りが触れる部分を水平にして、上死点を越えた脚が時計の文字盤に例えると、1時、2時、3時のフェーズのクランクを踏み込みやすく、クランクを回しやすい腰の位置をサポートして、その腰の固定を安定化させて、圧力を分散させてお尻の痛みの発生を防ぎました。サドルの前後位置をわずか4mm後ろへ下げて固定したので、サドルの高さを低く微調整しました。クランクのハンガーの中心から、サドルの長さの2分の1のポイント(仮の中心)、サドルの上の面までのポイントの高さを2mmほど下げて調整しました。

 

これでペダリングする脚の動きのブレーキになる、股関節周りの詰まり感が解消して、自然にケイデンスが上がりました。上死点を越える前の脚を引き上げる動きから、上死点を越えてからの脚の踏み出しもはっきり感じられるほどにスムーズになります。2時前後の位置からのクランクの踏み込みだったのが、実際にクランクに力が加わる位置が、手前の1時の位置に近づき、踏み込むパワーの伝達効率が良くなる3時の位置にクランクが向かっているフェーズで、クランクにパワーを加える区間もより長くなって、ペダリングの効率も高まります。

 

腰椎や背骨もブリッジ状になって緊張していた状態から開放されて、パワーを発揮できる腰の位置が決まってから、踏み込むペダリングに上半身の重さをどのくらい利用するかを調整したり、ハンドリングの特性や腹部への圧迫感に関係する、ステムやハンドルやブラケットの位置を調整します。まず、突き出し部分が前上がりに設定されているステムの上下を入れ替えて、わずかに前上がりになる設定にして、ハンドリングが安定するように変更しました。ハンドルのクランプ位置は下がりましたが、ボブタロスさんの体幹はしっかりしているので、十分に耐えられる範囲だと思います。

 

アナトミックタイプのハンドルは、ドロップバーの下をグリップしたときでもブレーキレバーを引きやすいように取り付け角度トブレーキレバーの開きを調整して、ブラケットの取り付け位置も、やや前上がりに移動して、肘を軽く曲げて走るフォームに、ブラケットとバーの作るスロープが手首に無理なくフィットして、手の平が痛くならない設定にしました。上半身が少し深く曲がりましたが、腰椎と背骨のゆとりができたので、問題なくこなせると思いますし、上半身の重さを踏み込むペダリングへより利用できるようになりました。

 

腰の位置、ハンドル周りの設定で、お腹のあたりに空間ができてフォームにゆとりができたはずです。黒姫合宿の段階のフィッティングよりさらに煮詰めができたと思います。実際にフィールドを走って、地面を蹴って効率良く前へ進む感じを味わってみてください。つくばの不動峠を上って新しいポジションを確認してもらいました。翌日も標高を稼ぐ走りでポジションを確認したようです。ではでは。