クマさんのバイク専科

タイムのクイックセットのヘッド小物!

フランスのタイムスポーツ社のカーボンフレームは、旧モデルのエッジトランスリンクやVXRSトランスリンクのカーボンラグでカーボンチューブを接着したフレームの時代から、アヘッド小物とは違う、特殊な構造のヘッド小物、クイックセットというヘッド小物のシステムです。上カップを時計方向へ締め込むだけで球当たり調整できて、プレッシャープラグなどの小物が不要な構造の軽量化できるヘッド小物です。メンテナンスは1年に1度か2年に1度という頻度で行います。

 

タイムのクイックセットのヘッド小物は、専用のカーボンフロントフォークと専用のアルミ合金製の純正の上カップ、上下の純正のシールドベアリング、プラスチック製の下側のシールド、専用設計のシールドベアリングが収まるヘッドチューブ、ステムの締め付けによるフロントフォークコラムの割れを防ぐアルミ合金製のインサーター、純正のOリング付きのカーボンコラムスペーサーで構成されています。

 

カーボンフロントフォークのカーボンコラムには、アルミ合金製のチューブが接着され、上カップをねじ込むネジが切られています。各フレームサイズやモデルによって、ヘッドチューブの長さが違いますから。フロントフォークはコラムの長さが違います。アルミ合金製のチューブにネジが切られた小物がカーボンコラムに接着されている位置が、フレームサイズとモデルによってヘッドチューブの長さが違うので、ネジの位置が微妙に違うカーボンフロントフォークが用意されています。

 

カーボンコラムにねじ込む上カップには、エッジやエッジファーストやVXRS、NXRインスティンクト、NXインスティンクト、ZXRSなどの旧型のクイックセットヘッド小物に採用されていた、上カップがトールキャップになっているモデルと、それ以降のモデルに採用されているフラットな7mm低い上カップの2種類になっています。クイックセットのヘッド小物は、ヘッドチューブの上下のカップにタイム純正のシールドベアリングにグリスをたっぷり塗って、潤滑や防水性を高め、ホコリの浸入を防ぎます。

 

シールドベアリングを上下のカップへセットする方向に注意します。下側には樹脂製のシールドをセットします。取り付ける方向に注意します。フロントフォークのフォーククラウンの、シールドベアリングをセットする部分はカーボンがテーパー状になっていて、下玉押しは不要です。フォークコラムに接着されているアルミのネジにグリスを塗って、そのままヘッドチューブへ通します。ヘッドチューブの上端まで通したフォークコラムの上端にネジが見えます。上カップのネジや内側に付いているOリングのシールドにグリスを塗って時計方向へ手でねじ込みます。

 

ヘッドチューブとのすき間が無くなってきたら、タイムのフレームに付属してくる、クイックセット用のヘッド小物の上カップの穴へ差し込んで締めるピンを2本、対角線の穴へセットして時計方向へ締め込みます。上カップを締め込む前に、下側のシールドがヘッドチューブの中におさまっているか確認します。上カップを軽く締め込んで回転部にガタがなくなって、フロントフォークを回転させてスムーズにフロントフォークが動かない場合は、シールドベアリングの向きか、シールドの向きの間違いの可能性があります。

 

上カップを緩めて抜き取って、上下のシールドベアリングの向きのや、シールドの向きを確認して、間違っていたら上下の向きを入れ替えて、もう一度上カップを締め込んで、回転部のガタと動きの重さをチェックします。クイックセットは上カップを締め込むだけで調整できます。上カップに2本のピンを刺して時計方向へ締めて、フロントフォークにガタなくスムーズに回転する位置まで締め込んだら、振動でカタカタ音が出ないようにOリングが内側に付いている、純正のカーボンコラムスペーサーの内側にグリスを塗って通します。

 

クイックセットはアヘッド小物と違い、上カップ、コラムスペーサー、ステムへ上からプレッシャーをかけません。上カップを締め込むことで回転部のガタや回転のスムーズさの調整が完結しています。だから、実際にはカーボンコラムのどの位置にでもステムを固定することができます、カーボンコラムスペーサーは飾りです。その上にステムを通し、フォークコラムの残りが隠れるまでカーボンスペーサーを通し、カーボンコラムに純正のアルミ合金製のインサーターとコラムの内側にグリスを塗って押し込みます。ステムをフォークコラムへクランプすると大きな力がかかるので、必ずインサーターを差し込んでから、クランプボルトを締め込みます。

 

1回目のクイックセットの回転部の調整をして、100kmとか200km、しばらく走ったら、フロントブレーキをかけて前後にバイクをゆすってガタをチェック、フロントフォークの回転が重くないか確認します。1回目の調整後、馴染みが出てガタが出ることがあります。2回目の調整をするとガタが出なくなります。パート2へ続く、ではでは。