クマさんのバイク専科

レディースバイクの気になるポイント:パート2

スポーツバイクで快適な走りを実現するには、サドルもお尻の痛みが発生しないものを選ばないと、バイクライドを止めてしまうきっかけになりかねません。少なくとも、お尻がライド中に痛くなったら踏めなくなるし、そこからのライドは憂鬱でしょう。ライドの後半にお尻が痛くなって、サドルからお尻をはなしたダンシングを多用してやり過ごしたことがありませんか。それは、男性ライダーでも経験があると思います。慣れれば大丈夫とか、踏めるようになれば問題ないなどでは済まされない、女性ライダーの声に耳を傾けて、真剣に改善に取り組むべきポイントです。

 

サドルは、これはいいのではというモデルを選んで、いくつも交換したり、痛みの発生する位置や、疲労が蓄積して凝りが発生しやすい場所を把握して、対応する知識のあるフィッターが、サドルの前後位置や取り付け角度などの設定を変えて試すことが必要です。バイクパンツに快適なパッドで定評のあるものを選んだりした経験はありませんか。クマジジイは買い物かご3つに入るだけのサドルを2年間で試して、やっとセライタリアのターボマチック2というお気に入りの相棒を見つけました。

 

女性ライダーだって同じようにお尻の痛さで悩んでいる人がいるはずです。デリケートな部分の話なので、お尻が痛くなるという言葉で四捨五入している感じの話になってしまいがちですし、男性ライダーには相談しにくい部分でもあります。男性ライダーも女性ライダーも、経験を聞いてみて、いろんな部分が痛くなることが分かっています。スポーツドクターや病院のレントゲン技師、圧力計のアニマというメーカーの開発部門の協力を得て、サドルの各部分に圧力計を埋め込んで、測定値の変化をグラフ化したり数値を記憶してくれる、マルチチャンネルのコンピュータを開発してもらい、サドルの各部にかかる圧力を、ライディングの姿勢や骨盤の角度の変化を、ペダリングしながらレントゲン撮影して、測定した研究結果があり、スポーツ医科学会に論文として発表した経験があります。

 

男性ライダーの場合は、背中がブリッジ状になっていると、サドルの中央から座骨のエッジや股関節の内側の出っ張りの部分の圧力が増して、腰の固定力はましますが、サドルと座骨や股関節の出っ張りに挟まれた部分の血行が妨げられて、そのままの姿勢でペダリングを続けていると、床ずれ的な痛みになります。皮膚の表面は圧迫やこすれで赤くなります。重要なのは皮膚の下の組織の血行障害による細胞の壊死で、ひどくなると皮膚が破けて、医師の治療が必要になります。軽い床ずれでは、サドルから腰が離れると痛みはありませんが、指先で押すと接触していた部分が痛いのは床ずれの前段階です。お風呂やアイシングで血行を良くして細胞を回復させ、炎症による壊死が広がらないようにして、時間はかかりますが、壊死した細胞は血流にのせて排出され、細胞は回復します。

 

臀筋や腸腰筋の体幹の筋肉や、太ももの後ろ側のハムストリングも動員して、大きなパワーを発揮できる、「全体踏みペダリング」になると、レントゲンでチェックすると、骨盤は前へ傾斜して、サドルの中央から先端にかけての圧力が高くなり、腰のサドルへの固定力が増します。パワーやトルクが必要な場面では、無意識に骨盤を前傾させて、体幹や太ももの後ろ側の筋肉を使うスイッチが入るライダーもいます。全体踏みペダリングを体験したいライダーは、おへそをステムに近づける、背骨を反らせるような動作で、骨盤を前傾させてペダリングして「全体踏みペダリング」で楽に踏み込める有効性を体験でます。

 

骨盤の前傾を意識して、全体踏みのペダリングを実現できます。広い範囲の筋肉をペダリングへ動員できて、パワフルなペダリングをしても、サドルの上で踏み込めて回しやすい腰の位置が、骨盤の前傾でサドルの中央から先端にかけての圧力が増して、腰が動きにくいので効率良くペダリングできます。しかし、骨盤の前傾を支えて全体踏みペダリングを続けるには、腸腰筋など体幹の筋肉を鍛えておく必要があります。男性ライダーは座骨の当たる部分や、尿道の当たる部分の圧力が高くなって、痛くなったりしびれたり、床ずれになってしまうことがあります。

 

背中がブリッジ状になっていたり、骨盤に直結している腰椎の部分を極端にまげて走っているライダーは、サドルの前後位置で制約されたりして、男女とも腰の位置が、回して踏めるポジジションになっていません。しかも、男性は尿道の圧迫によるシビレや痛みを避けていたり、女性は性器への圧迫や接触を避けていルライダーが多く見かけます。背中や腰椎の曲がっているライダーは、上半身の重さを利用して脚を踏み込めないペダリングをしています。しかも、骨盤の前傾ができていないので、広い範囲の筋肉を使う、全体踏みペダリングもできていません。おへそをステムへ近づけて骨盤を前傾させて、背中を反らせるイメージで真っ直ぐにして、全体踏みペダリングを体験してみてください。

 

女性ライダーの場合は、おへそをステムへ近づけるようにして、骨盤を前傾させて全体踏みペダリングすると、腰の固定力が増して、脚に上半身の重さを利用して脚を踏み込めるようになりますが、座骨のエッジが当たる部分や、性器への圧力が高まり痛みが発生します。サドルの中央から先端にかけて、穴あきや溝付きのサドルが性器への圧迫や接触がなく快適です。バイクパンツのパッドには、摩擦を減らすクリームを塗ってパッドの生地との摩擦を減らします。アソスのシャーミークリームはハーブ系の刺激があります、刺激のないオロナイン軟膏を塗っておくと、パッド表面の生地と肌との摩擦も減らし、ペダリングする脚の動きでこすれる痛みの発生を防げます。パート3へ続く。ではでは。