クマさんのバイク専科

土曜日のマジカルミステリーツアーは盛り沢山でした!

 

毎週土曜日、桜運動公園へ10時に集合して走るマジカルミステリーツアー、その日はフィッティング、北部工業団地でのライディングテクニックセミナー、珈琲倶楽部中山でのお昼ご飯、大関いちごへのライドなど、盛り沢山でした。走る前にフィッティンッグしました。フィッティングしたバイクは、新車を手に入れたショップでフィッティングを受けてから、自分でサドルの位置とブレーキレバーの位置を手直しした状態での持ち込みでした。

 

サドルはヤグラの一番前に出して設定されていました。踏み込むペダリング中に腰が前へ出るのを防ぐために先端が前上がりになっていました。前よりに座っているので、ブラケットのグリップ位置が近いと感じたそうで、カンパニョーロの11段のエルゴパワーシフターのブラケットは前下がりにして、遠くなるようにセットされています。その設定のままでいいのかなとも思いました。フィッティングして3ヶ月くらい、同じ位置で走ってくれるか分かりませんから。

 

フィッティングしても動かしてしまって無駄になるのでは?、まあ、走りを見てからにしようと思いました。工業団地の平坦コースを走るのを見ました。体重を利用してクランクを踏み下ろそうと力んでペダリングしています。週末に開催されているスピードの速いグループライドに付いて行こうと頑張っているそうです。体重をかける踏み込むペダリングでスピードをキープしようとペダリングしています。前乗りで股関節周りに詰まり感が発生している状態で、体重を利用して踏み込む傾向のペダリングになっています。

 

体幹の筋肉を使って上死点を通過してから脚を踏み下ろしています。踏めて回せる腰の位置が出ていませんでした。腰の位置が前に出ているため、腰椎が急激に曲がっていて、その背骨のブリッジ状態を支えるために背筋や腹筋などの体幹の筋肉を使っています。速く走るグループライドに、踏み踏みのペダリングで付いて行こうという気持ちは分かりますが、この前乗りのポジションでは、体幹の筋肉を脚の上下だけに、1時間もしないで使い切ってしまい、2時間を越えるグループライドではスピードについて行けていないはずです。

 

まず、サドルの前後位置から見直す必要があります。サドルを後ろへ引いて、座骨や股関節の内側の触れる、サドルの中央付近を水平にセットし直しました。

この段階でボクは2つのミスを犯していました。フィッティングを受けたというので、1つはタイムのペダルのクリートの位置を点検しませんでした。もう1つは、サドルの高さも検討すべきでしたが、ペダリングする姿を見ると、脚が伸展された下死点付近で、膝関節が深く曲がっていたので、ゆとりがあると思っていました。この膝関節の曲がりは、実はカカトを上げてつま先立ちでペダリングしていたせいだったのです。後でこれに気付きました。

 

ライド中は、膝関節が深く曲がっていたので、逆にサドルの高さが3mmくらい低過ぎるのではと思っていました。帰り着いて、サドルの高さを点検してみてカカトが上がってペダリングしていることに気がつきました。現在のサドルの高さは足の甲の角度を見ると、5mm近く高過ぎだと思います。疲れてきた時に踏み下ろせなくなるはずです。この高さではふくらはぎとすねの筋肉で足首の角度を支えるので、膝から下の筋肉と、膝関節の後ろ側にストレスが集中しているはずです。つることも考えられるほど負荷がかかります。5mmくらい低くいた方がいいと思います。

 

ブラケットは手の平が当たる上の面が前下がりに設定されていました。この設定ではグリップしている手の平や手首が痛くなってしまいます。ブラケットのスロープをやや前上がりか水平に設定し直しました。ライドから帰ってからクリートの位置を見直しました。足の母指球の位置とカカトの内側のラインがほぼ平行か、ややカカトが内側になる足の自然な向きでした。左右ともほぼ同じ向きなのでそのようにタイムのクリートを設定して走ってもらうと、左脚に違和感を感じ、カカトを外へ出したいそうです。

 

これは、実際にクリートを移動すべき向きと逆に感じるパターンだと直感しました。ライダーの体感とはまったく逆の向きに、カカトを内側になるようにクリートの向きを動かさないといけないパターンです。設定いたクリートの向きを動かしていまうと、膝関節が痛くなったり、余計な負担を脚の筋肉へかけるという事が起こりやすいのです。「違和感」を理由に、動かしてしまうだろうな〜と思います。頭の中でトップチューブ近くを膝関節が踏み下ろされるペダリングを理想と考えているはずなので、このライダー本来の「軽いがに股」傾向で、自然に無理なく踏み下ろすペダリングにあわせて移動したクリートの位置に、イメージとのズレを感じているはずです。

 

mm以下の精度で設定したクリートの位置をきっと変えてしまうでしょうね。カカトを外へ動かしたいという体感に従って、クリートの位置を動かしてしまって脚の不調を訴えることになるかもしれない事は予想できます。バイクのライディングテクニックのセミナーは安全な周回路で20km走りながら実施しました。棒状一直線の1m間隔で顔を上げて広い視野を保ちながらのドラフティング走行、40cm間隔の2列走行、行きたい方向の先を見るコーナーリングの視線の移動の仕方、ハンドルとハンドルの間を4cmくらいにしての超接近での並走、集団走行での先頭交代、片手走行など、基本中の基本を体験してもらいました。

 

たった20kmの走りなのに、慣れない事をやった緊張でかなり神経は疲れたはずです。北部工業団地から珈琲倶楽部中山まで走ってランチでした。美味しい珈琲とハンバーガーやスパゲティ、サンドイッチを食べて、お腹いっぱいで、温かいここから抜け出すのは覚悟がいりました。芝沼醤油を経由して、18km先の大関いちごまで走りました。おばちゃんにお茶と干し芋と、2種類のいちごをパレットごと出してもらって、一杯食べさせてもらいました。帰りの時間は3時を過ぎました。日はかなり傾き、雲に光が遮られて、もう夕方な雰囲気たっぷりになりました。

 

もう1つフィッティングで忘れていたことがありました。4時過ぎまで走って、走り終わったところで疲れていたせいもありましたけど、暗くなり始めていた駐車場でのサドルの高さのチェックや、クリートの位置合わせに夢中になって、重要なことをアドバイスし忘れていました。根本的な事ですけど、クリートを取り付けてあるバイクシューズ選びです。フィッティングしたライダーのはいているのは、初期のフィジークのカーボンソールバイクシューズでした。ロープロファイル設計全盛の時代としてはかなりカーボンソールの設計がユニークなものです。

 

ソールがかなり厚いシリーズを後発メーカーとしてシリーズ化しました。他社のカーボンソールの上級のモデルのバイクシューズが、ソールの厚さを7mmから8mm前後の、薄い構造に設計変更していました。ペダルの基本設計も変わり、ペダル軸の中心から、足の裏までの高さをより低くして、踏み込む足の安定化を追求しています。そういうペダルとバイクシューズの構造変更で、ロープロファイル化している時代に、14mm以上(足の当たる中のソールからカーボンソールのペダルに当たる面まで)ありました。インソール部分も含めるともっと高くなるはずです。ソールの厚い初期モデルのフィジークをはくと、まるで高下駄をはいている状態です。

 

踏み込む足がそれだけで不安定化します。踏み込むペダリングをすると、足の角度を支えるために、ふくらはぎからすねの筋肉へ、普通に負担が増します。つま先立ちでペダリングしているような状態を想定してください。現実にカカトを上げてペダリングしていました。つま先立ちにして、足の裏を傾けて、母指球の位置とペダル軸の中心の位置関係をペダリング中に無意識に移動して、より母指球の位置をペダル軸の後ろへ移動して、踏み込む足を安定化させようとしているのです。クリートを固定するボルトの位置を加工して、後ろへ移動してもソールの厚さによる影響をカバーできていないのです。

 

初期のルックやタイムのビンディングペダルの設計は、ペダル軸の中心から踏み面までが高く、バイクシューズのソールも硬質のエンジニアプラスチック製で厚いモデルでした。カーボンソールモデルになってからソールの薄いモデルが登場します。現行モデルのビンディングペダルは、ペダル軸からバイクシューズのソールが接触する踏み面までの高さをなるべく低い設計で作っています。バイクシューズのソールも高級モデルはカーボンで、軽く、薄く、適度にしなるけどパワーロスしないバランスで、しかもペダルが足へ食い込まないように作っています。

 

結論としては、旧型フィジークのシューズを早く交換したほうがいいですね。踏み込む足を安定させるだけで、高下駄で歩くみたいに、まず膝から下の筋肉を使っています。足のつりの原因の1つですから。なんでクリートを固定するボルトの位置を後ろに移動したいと感じて、加工したのか。それは、カーボンソールが厚く、ペダル軸の中心から、足の裏までの距離が遠くなって、不安定だったからです。ペダル軸の位置を母指球の位置より相当後ろへ下げて、足を安定化させようとしたわけです。それほどペダル軸の中心から足の裏までの高さはペダリングに影響する要素なのです。バイクシューズのアッパーが慣れていて残念ですけど、とにかく早く交換した方が、快適に走れるようになります。薄いソールのバイクシューズへ交換すると、サドルの高さにまで影響します。ではでは。