クマさんのバイク専科

タイヤの空気圧は一般道では7気圧がいい感じ!

毎週末のつくばライドの朝の重要な儀式が走る前の空気入れです。ドイツブランドのSKSのレンコンプレッサーというフロアポンプをクルマに積んで使っています。スチール製のシリンダー内をブレーキパーツクチーナーでしっかり洗浄してから、温度を60度に上げてフッソコーティングして、オリジナルのホースヘッドは切り取って、ヒラメの縦カムのホースヘッドを差し込んで、ホースバンドで取り付けて、ホースを台座から一旦取り外し、ネジロック剤を塗ってからねじ込んで固定します。空気圧メーターも分解してグリスアップしてチューニングした、10年以上使っているフロアポンプでの空気入れです。

 

普通のレンコンプレサーよりポンピングが軽くなっていますが、それでも空気圧が6気圧から7気圧に高くなってくると、ポンピングは重くなってきて、2台、3台分のホイールに空気を入れると、寒い朝のいいウオーミングアップになります。スポーツバイクのホイールは、ブチルチューブのクリンチャータイヤもあるし、内側にブチルゴムをコーティングして空気を封入するチューブレスやチューブレスレディタイヤ、やや硬いけど空気が抜けにくいブチルチューブや、しなやかだけど空気が抜けやすいラテックスチューブが中に入っているチューブラータイヤもあります。

 

タイヤやチューブによって空気が抜けにくい、抜けやすいはありますが、1日で1気圧から3気圧低下するヴェロフレックス、ミシュラン、ヴィットリア、ハッチンソン、リッチーなどのラテックスチューブ入りのチューブラータイヤもあるし、コンチネンタルのように1週間で1気圧から2気圧しか低下しないブチルチューブのチューブラータイヤもあります。クリンチャータイヤの場合は、タイヤカーカスの構造が2種類ありますが、基本的にはブチルチューブの硬さが配慮されて、ショック吸収性やグリップ力などのタイヤの性能が設計されています。

 

クリンチャータイヤの構造は2タイプあって、1つは硬いタイヤと8気圧前後の高圧設定でタイヤの変形を抑えて、ハイグリップコンパウンドのトレッドゴムを路面へ押し付けて高いグリップ力を発揮する構造です。サーキットコースやスムーズな舗装の路面では、高いグリップ感を発揮しますが、荒れた路面や小ジャリや砂のある路面では、タイヤの変形が少ないので路面への追従性が不足して、急激にグリップが低下する傾向があります。乗り味はやや硬くなり、路面からの振動を伝えやすいタイプです。

 

2つ目のタイプのクリンチャータイヤは、薄く軽量なブチルチューブを採用して、6気圧から7気圧の中・低圧設計で、1インチ当たり300本(TPI)以上の密度の細くしなやかなタイヤコードでタイヤカーカスを製造して、しなやかなコンパウンドのハイグリップトレッドゴムを接着した、路面への追従性を高めてグリップ力を稼ぐタイプです。チューブレスタイヤは専用リムのエッジと、チューブの層が内側へコーティングされたタイヤのビードが噛み込んで、空気を閉じ込める構造です。チューブとタイヤが一体化していますから、タイヤの中でチューブが動くロスがなく転がり抵抗を小さくでき、ある程度のしなやかな乗り心地の良さも確保されます。

 

リムのエッジトビードの精度で空気の漏れに個体差がありますが、パンク防止や修理の効果があるというシーラント剤、チューブレスタイヤは入れてもいいし、無しでも使えます。チューブレスタイヤの問題点はタイヤのリムからの着脱で、手だけで着脱するのが空気の封入に関係するタイヤのビードを傷めないので理想的ですが、プロメカニックでも大変な力技になります。一般的には専用のビードを傷付けにくいタイヤレバーを使って着脱します。チューブレス専用やチューブレスとクリンチャー兼用リムへのチューブレスタイヤの装着は、石鹸水をリムやタイヤに塗ってからリムに左右のビードを収めます。

 

チューブレスタイヤ専用のフレンチバルブの内側の四角いゴムの出っ張りの部分に気を付けて、リムとゴムの間にビードを落とし込んで、左右のビードをリムに収めたら、リムの溝の中央に左右のビードを寄せて、空気圧を上げて行きます。空気が漏れることがあるので、できればコンプレッサーや、炭酸ガスカートリッジ式ポンプなど、5気圧くらいへ一気に注入できたり、1回のポンピングでエアボリュームがあるフロアポンプで作業すると、ビードをリムのエッジまで一気に移動させることができて、チューブレスタイヤの装着作業を楽に行えます。リムサイドに付いた石鹸水はよく洗い流しておかないとレインコンでぃションでのブレーキ性能に影響します。

 

シーラント剤無しのチューブレスタイヤで1週間に1気圧から2気圧の低下でした。シーラント入りのチューブレスタイヤだと1気圧以下でした。シーラントを入れることが前提の、リムからの着脱の楽なハッチンソンやマヴィックのチューブレスレディタイヤの場合は、1週間で1気圧から3気圧の空気圧の低下でした。シーラント剤のパンク防止効果はガラス片や金属片の刺さった貫通パンクや、スネイクバイトのようなリム打パンクの小さな穴に効果がありますが、パーフェクトに穴を塞いでパンク修理をする必要がないと言うものではありません。

 

シーラント剤の穴からの漏れを見つけたら、チューブレスタイヤの場合は外して内側に専用のパッチを張って穴を塞ぎます。クリンチャータイヤの場合もリムからタイヤを取り外してチューブを交換したり、チューブの穴をパッチで塞ぎます。その時問題になるのがシーラント剤の存在で、タイヤを外した時に、ベタベタになってしまうので、ふき取ることから作業が始まります。チューブラータイヤの場合もシーラント剤を注入できますが、ラテックスチューブとしなやかなタイヤなので、対応できる穴の大きさがかなり限定的です。しかも走行中に穴が再開して空気漏れする例がかなりあります。その場で予備タイヤと交換する方が安全です。

 

いずれのタイヤも共通しているのは、タイヤ空気圧の調整が乗り心地やグリップ力に直結して大切なことだと言うことです。メーカー推奨の空気圧の範囲で、ライダーの体重や求める乗り味に合わせて空気圧を0、2気圧から0、5気圧の単位で微調整します。

 

空気圧を細かく調整して、スムーズな路面や荒れた路面を走って乗り味を確認して、コーナーや直線でのグリップ力、ハンドリング特性、ショック吸収性、パワーロスのない、体重や走る路面や距離などを配慮して、好みにあった最適な空気圧を探すことです。スポーツバイクは、走り出す前に空気圧メーター付きの使い慣れたフロアポンプで、必ず空気圧の確認と調整をして走りましょう。空気圧が低過ぎるとタイヤの変形が大きくて、パワーロスするし、走りが重いし、ハンドリングもふらふらして危険です。空気圧が高いと路面から弾んでグリップが低下します。

 

ボクの場合はヴェロフレクスの23mmのクリテリウムで、ラテックスチューブのしなやかなチューブラータイヤで、メーカー推奨空気圧は7気圧から10気圧です。タイヤ全体が変形してショック吸収性が高く、グリップを稼ぐタイプのタイヤです。通常は前後とも8気圧に設定していましたが、100kmくらい走ると路面からの振動がストレスになってきて、振動を吸収する、よりしなやかな乗り心地が欲しくなりました。剛性の高かったパワーロスのないホイールも変化しました。

 

前輪ハイペロン、後輪ボーラの50mmでしたが、前輪はジョバン二のアマンダスポーツオリジナル設計の20mm×20mm断面の、振動減衰性の優れた木リムホイール。後輪は適度な剛性で踏み出しの軽いハイペロンになりました。クリテリウムは7気圧や7、5気圧を試して、現在は7気圧の設定で走っています。4月にチャレンジする、茂木のエンデューロでは路面がスムーズでミューの高いサーキットの路面なので、路面状況が大きく変化する一般道より空気圧の高い設定で走れます。8気圧から9気圧を試しましたが、クリテリウムなら9気圧で気持ち良く安心して走れました。ではでは。