クマさんのバイク専科

六本木のラ・ガレージにカカザンを見に行く!

 

石橋財団、ブリヂストンの持ちビルが六本木通りの防衛省よりにあるアクシスビルです。六本木の大通りに面している部分は、イタリアンを食べられるカフェテラスのあるお店で、その隣りにはオシャレな食器類を扱っているお店です。こだわりのアンテナショップや、アートギャラリーなどがテナントに入っている、昔懐かしいバブリーな香りが残っているビルです。クルマで行くと駐車場探しが少し大変で、見つかっても20分で400円とお高くなっています。

 

そのファーストフロアにある2つのお店にはさまれた、少し暗い通路を奥へ進むと、ラ・ガレージという目利きのバイヤーにセレクトされたカー用品が並ぶショップがあります。オープンのクラシックカーに似合いそうなウエアやグローブや用品が置かれています。F1ドライバー御用達のFRP製のヘルメットやドライビングシューズや、防炎のつなぎが収まるコロコロ付きのトランクとかも置かれていると思えば、ミレミリアに出場するクラシックカーオーナー達の御用達のお店です。そのお店で日本の匠が作る、グローブの展示即売会が開かれています。

 

四国の香川に家族で運営している小さなグローブ工房があります。ブランドネームはカカザンです。社長とは10年以上前に相模湖ピクニックランドの自転車試乗会の会場で会いました。ちょうどイーグルクリークの30Lのバッグにいっぱいのサイクリングに使っている、4シーズンのグローブをぎっしり詰めて持っていました。カカザンはちょうど、サイクリング用のディアスキンのグローブを開発中で、見本のグローブを持っているので使って感想を聞かせて欲しいと言われました。

 

ディアスキンとは鹿革のことで、銀面の付いているソフトななめし革が素材でした。手の平側はシンセティックレザーとソルボセインやジェルパッド入り、滑り止めのシリコンゴムコーティング、甲側は伸縮影に優れたライクラー素材や、汗を拭くタオル地で作られているサイクリンググローブが主流になっていましたから、本革製のサイクリンググローブは珍しいチャレンジでした。

 

革、それもソフトさで定評のあるディアスキンの銀面素材ですから、適度な伸縮性もあって、使い込むほどに手の形、ブラケットを握ったり、ブレーキレバーを操作したりの、手の動きを妨げることなく、さらに馴染んでくることは間違いありません。だからサイズを選ぶときは少しタイト目がいいようです。手の甲、指の股がみ、指先の先端の処理など、身に着けてみれば、すぐに日本人の手の形を熟知した、作り手のノウハウや情熱や技術力がジワーっと迫ってきます。そのグローブの素性の良さが試しただけで伝わってくるし、数回走って手に馴染んだ時には、唯一無二の存在のアイテムになることは間違いありません。もちろん時間はかかりますが、オーダーも受け付けてくれます。

 

イーグルクリークのバッグをカカザンのテントに持って来て、社長にサイクリングで使っているグローブを全て見せると、1つ1つ手に取って、革やの布地のカッティングや縫製や生地をチェックしていました。アソスの使い込んだグローブの消耗している部分や、パッドの位置やダメージを入念に確認していました。あまりの熱心さに驚きました。使い古したアソスのグローブ2セットと、アメリカンハイウェイパトロールのバイクライダーに愛用者が多い、春秋のライドに使っている、ディアスキンのホースライドグローブを参考資料として提供しました。

 

カカザンの表側がフルパンチングの指付きグローブを10年以上春秋用として愛用していますが、汚れるとぬるま湯につけて、手を洗う洗剤や革専用の柔軟剤入りの洗剤で手洗いして、汗や油汚れを落としては、ほぼ乾きかけたら手に着けて、ミンクオイルかアソスのシャーミークリームを全体に塗って、揉み手をしながら馴染ませて、しなやかさをキープしています。

 

展示されていたグローブは指付きと指切りのドライビンググローブでしたが、

女性用の指切りグローブの新作がありました。ネイルした爪の先をグローブで傷つけたくないという要望に応えて、指の7分までが日焼け止めとしてカバーされた指切りグローブでした。シックなカラーリングと甲のストラップがとっても魅力的です。カカザンのホームページにでもアクセスするともっと詳しく分かると思います。繊細な匠の技が受け継がれると嬉しいですね。それには、せっせと働いて、お金を稼いでグローブを買って支えなくては。ではでは。