クマさんのバイク専科

Q ファクターの調整で股関節幅でのペダリング!

左右のクランクに取り付けたビンディングペダルに、足をセットした状態の左右の足の開き量をQ ファクターと言います。Qファクターの要素には、クランクの設計寸法による左右の開き、ペダルの踏み面の設計の横方向の広さ、そしてクリートの内外への調整が関係しています。タイムのペダルは足をセットしてから、内外へ片側で3mm動かせるのがウリになっています。ペダリングする足の左右の開きと同時に、170mmクランクの場合は、足の固定される位置は前後方向に340mmずれます。

 

クランクやペダルのメーカーやモデルによって、クランクのQファクター、ペダル軸を固定する左右のクランクのつら位置の間隔が微妙に違います。さらに、ビンディングペダルの踏み面そのものが構造的に、左右の開きに関係する要素としてあります。ビンディングペダルの場合は、クリートの位置を外側に移動してQファクター狭く設定すると、どのペダルもバイクシューズの内側の面を平行ン設定すると、ぎりぎりクランクに接触するかしないかの、ほぼ同じ設計寸法になっています。シマノのSPD-SLペダルはQファクターを広く設定できる、ペダルシャフトの長いモデルが用意されています。

 

もっともQ ファクターの設定に関係するのが、バイクシューズのソールに固定しているクリートの内外への調整で、ルック、シマノ、スピードプレイは、Qファクターを調整できます。タイムは足の向きにクリートの向きの調整は対応でき手、着脱をスムーズに設定ますが、内外への調整はほとんどできず、Q ファクターは走行中に足を動かせるペダルとクリートの構造任せですが、ペダリング中にライダーが踏み込みと、回転を意識して、足の位置を内外に動かす感じはありません。

 

Q ファクターの広い、狭いは、陸上競技の短距離のスタートを思い浮かべてください。スタートはトルクを必要とするので、右足と左脚の歩幅は短く、左右の開きが大きくトップスピードへ加速して行きます。加速段階では歩幅も長くなり、左右の足の着地点も狭くなります。ペダリングする左右の足は、Qファクターを狭く設定するとクランクを回しやすくなり、広く設定すると踏みやすくなります。その最適なバランスを探す作業がフィッティングのQファクターの調整です。

 

Q ファクターが狭い、広いの基準は、クマジジイのフィッティングの場合は、左右の股関節の中心から垂直線を下げて、その垂直線に足の左右の母指球の位置が一致する「股関節幅」でのペダリングを基準にしています。脚の骨格には垂直線より膝関節が内側に入るX脚と、外側になるO脚があります。もちろん真っ直ぐに踏み下ろせているライダーもいます。この骨格によるペダリングする脚の動きの違いを、正面、真横、後ろから確認して、自然な脚の動きとして認識します。

 

基本的には、できるだけ股関節幅でペダリングできるように、クリートの内外への調整で、Qファクターを調整します。腰の位置はサドルのセンターに座ってペダリングしているとは限りません。右寄りのライダー、左寄りのライダーもいます。腰の位置のズレによる股関節の位置の見極め、どの程度腰の位置のズレをQ ファクターの左右の調整に反映させるかも重要なポイントです。専門的な知識と脚の動きとクリートの調整の経験がないと、このクリートの調整作業はできません。

 

今までのクマジジイのフィッティングでは、クランクを回しやすい設定を重視していました。クリートの内外を調整して、Qファクターを狭い設定を基準にしていましたが、ヒルクライムにチャレンジするライダーから、もっと広い設定で走ってみたいという要望があって、Q ファクターを見直してみました。左右の股関節のボールジョイントの中心から、左右の足の母指球の位置へ真っ直ぐ踏み下げる、ぎりぎりクランクに足が接触しない狭いQ ファクターから、左右で2mmから4mm広い設定でペダリングを試してみました。母指球の位置で踏めている安定感やパワーが効率良く伝わっている感がありました。ではでは。