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Japan Maker’s Tech Summit -71走目

ケーシング突然ですがコレは何でしょう?

スダレでも海苔でもありません。実はタイヤを構築しているケーシングというパーツです。

昨日はJapan Maker's Tech Summitに参加してきました。その名の通り、国内の自転車パーツメーカーが会して製品にどのような技術が使われどのように生み出されているかを勉強できる機会となっています。

上の写真はPanaracerのロードタイヤに使われているケーシングと呼ばれる部材で、乗り心地や重さに影響する部分です。タイヤには"TPI"(Thread Per Inch:1インチにおける繊維本数)と呼ばれるタイヤの性能を表す数値が付けられていることがあります。この数字が大きいほど1インチあたりに使われる繊維の太さが細くなり本数が多くなります。TPI値が高いほど軽くしなやかな乗り心地になります。

写真の茶色にスダレのような素材がその繊維むき出しの状態で、ゴムをまとわせ海苔のような素材にし、タイヤに構築していきます。この作業自体は大きなローラーに素材を巻きつけ行うそうなんですが、繊維が細くなり本数が多くなればなるほどちょっとしたエラーで乗り心地が変わるので最後は人間の手で1つ1つ確認を行っているそうです。

Panaracerではこの作業を行える担当者が2人しかおらず、供給されている全てのタイヤはこのお2人が担当されているということでした。技術的に非常に高次元なところで確認を行い、最終的にビードやトレッド、対貫通パンク対策部材のブレーカーなどと合わせてタイヤを製造しているそうです。

 

MKSこちらはMKSのペダル組み付け工程のワンシーンです。MKSではペダルと用途ごとに応じたベアリングを選択、1つ1つ職人さんの手でガタがなくよく回るよう調整されながら製造されています。パーツ1つ1つの精度は高いですが、それでも個体差は生じてしまうそうで組みつけの際には暑さ0.03~0.40mmのMKS特性ワッシャーを固体によって調整しながら入れているそうです。実際組み付け作業を拝見していると、全く異なる組み合わせでワッシャーが使われているんですが、性能は全て同じということでした。上位グレードは日本競輪選手の足元を支えている高回転性能のペダル、一般向けには耐久性が高くでも良く回るペダルがあります。

書ききれなくて恐縮ですが、どのメーカーにも共通しているのは徹底したこだわりと精度の高い技術による安全管理でした。最後は必ず人間の手で確認。当たり前のことですが人間が使い命を預けるパーツなのでこういう面をしっかりと出せるというのは僕らショップ側としても安心してオススメできます。

おそらく多くの人が抱いているであろうジャパンメーカーのイメージそのままの世界がありました!とてもおもしろい場に参加することが出来ました♪