職人マツナガ通信

7月3日

山梨のTさんから事故バイクが送られてきました。
と再塗装依頼のフレームです。
事故フレームをざっと見たところ、フレームへのダメージはなさそうなのですが。
一点Tさんがきになる、ラグの付け根の溝。
Tさん曰く、事故前にはなかった溝とのこと。
カーボンは座屈する素材ではないのですが。
Tさん、用心をかねてもうこのフレームは廃棄してくださいとのこと。
お話をしてみると。
Tさん、いままでいろいろなブランドのフレームを乗ってきて。
いろいろな破損にあってこられてたとのこと。
BBからシートチューブが抜けたり、
リアエンドの付け根が折れたり、っと。
それも一度限りではなく、複数回あり、怖い思いをしてこられたそうです。
もちろん通常使用でです。
ちなみに、ボクが作ったフレームは、いままでに一度もトラブルがない、
っと、お褒めのお言葉をいただきました。
ボクにしてみると、当たり前のことなのですが。
この質実剛健なものつくりの基本は、
選手のフレームを作ってきたことにあります。
選手は、一戦、一戦、真剣勝負、もしフレームのトラブルでそのレースがおじゃんになってしまうと、
もう二度と同じレースにはでられないんですよね。
なので、どんなことがあってもフレームにトラブルは起こさない、
っということを心に据えて作ってきました。
このこわれない、というのがボクのフレームを乗り続けてくれている理由のようです。
送られてきたフレームは2台とも、ボクが神奈川のチームリマサンズという、
サイクルショップの雇われ店長をしていたころに作っていたものです。
当時は、ラグを斜めにカットして、さらに先細になるようにテーパー状になるように削っていました。
Tさん、シングルギャバイクは廃棄なのですが、
もう一台のほうは、気に入っておられるので再塗装をしてまた乗りたいとのことでした。
ん~、さすがサイクリスト、これだけの怪我をされても(まだ痛くて夜寝られないとのこと)、
直った後に乗るバイクの事をもう考えておられる。
タフネス!