職人マツナガ通信

9月30日 カンパニョーロボーラスポーク全交換

ルックを駆るトライアスリートのOさん、
レース中のトラブルでカンパニョーロボーラのスポークを折ってしまった。
ご購入されてすでに10年近くたっているもの。
ホィールを確認するとスポークが折れている以外は異常がなさそう。
ということでスポーク交換作業に。
まずは補修用のスポーク探しから。
ホィールの年式をしらべる。
ホィールに張ってある型番から2012年モデルのようである。
スポークの型番をしらべて、カンパニョーロジャパンに在庫の状況を確認する。
スポークのばら売りはすでに販売終了となっているが、
ホィール一セットの分のスポークならまだ販売中とのこと。
Oさんに確認をして発注、待つこと一か月、ようやく届きました。
10年以上たっているホィールなので今回は全スポーク交換することに。
通常ならまずスポークを全部を外して、バラバラにして組み直すのですが。
ボーラの型がは、ハブの穴にスポークを通すタイプではなく、ひっかけるタイプのもの。
これ、ばらすとくみ上げるときに、スポークがハブから外れて収拾がつかなくなりそう。
なので、ばらさずに面倒ですが一本、一本、交換をしていくことに。
届いたスポークをだしてみると、ありゃ、スポークとニップルの間にワッシャーがはいるではないか。

ん~、これスポークをリムにとおしても、リムの背が高いのでワッシャーをスポークに通すことが不可能。
さて、どうするか。
考える、考える。
スポークの先に差し込んでリムの外側に出てくる細いパイプ状のものがあれば、それをガイドにワッシャーと通すことができる。
細いパイプ、細いパイプ・・・・・。
いろいろ思いめぐらすが思いつかない。
フッと、ワイヤーの外にかぶせるライナーチューブはどうか。
プラスチックだが太さ的にはピッタリ。
早速ためしてみると、ビンゴ! ピッタリありました。
これをスポークの先につけて、リムの外にライナーをだして、そのライナーにワッシャーをとおして、
通し終わったらライナーを抜いて、ニップルをとりつける。
ムッフッフ、思い通りの作業ができた、上出来上出来。
さてすべてのスポークを交換して仮組ができました。
お次は振れ取り台にのせて、センター、縦、横の振れをとっていきます。
テンションゲージでスポーク張力に注意しながら、振れをとっていきます。
振れが取れたら台から外してホィールをしごいて、スポークねじれをとります。
そうしてまた振れ取り台へ。
これを何回か繰り返して、縦、横、0.2mm以内の振れに収まりました。
これで、ボーラ復活です。
また、ガンガン使ってください!