職人マツナガ通信

4月29日

再生。
10年以上前にご購入されたロードバイクの再生を依頼されました。
ご本人曰く、中学三年生の時に大変な思いをして手に入れた、思い入れのある大事なバイクという事。
きっちり乗れるようにするには、お見積もりしたら105仕様のバイクが一台買えるくらいになりました。
よくよくお話し合いをして、どうしてもこのバイクを再生されたいというご希望。
そこまでおっしゃるならば、自転車屋魂にのっとって、新車同様に仕上げましょうということになりました。
ご本人も金銭的には損をしているかもしれないけれど、またこの先嬉しい気持ちで乗れるということでご納得。
お客さまの気持ち、ぼくもよくわかります。
10代の終わりに、当時自分としては大枚はたいて買った靴があります。
今でもその靴は現役です。
もう何回ソールを張り替えたかわかりません。
やはり、金銭的にいえば、ソールを張り替える工賃より似たような新しい靴を買った方が安い位です。
でも、まだソールを張り替えれば使えるし、今でもその形が気に入っています。
初期投資は大きくても、それを修繕しながら、長く気に入ったものを大事につかっていく、

というのは個人的に大変好きな買い物のしかたです。
悲しいかな世の中の流れとは少しはずれているようで、
最近は長く使う事を想定した商品、また修繕をしてもらえるシステムが少なくなってきている気がします。
SBTMでは、可能な限りこういう思いのオーナーにはおこたえしていくつもりです。