職人マツナガ通信

6月10日

手組のエアロスポークチューブラーホィール。
回転体の外周が軽くてガッシリしたホィールが欲しいというリクエストをいただきま
たまたホィール組。
回転体の外周が軽いということは慣性が小さい、
慣性が小さいということは加速性がよい、
これで剛性があれば文句なし、といったところ。
昨今の完組ホィールは、リムは多少重くなっても剛性をもたせて、
スポークを少なくしようというコンセプトがおおいのこういうホィールが少ない。
じゃあ、手組でと言うことになったのですが、
言うは易く行うは難し、まずパーツの入手が難しい。
リムは330gほどで剛性感がたかいアラヤのADX-1チューブラーリム。
これはもはやアラヤ社にも在庫がなく次回製造はあるかないかという状況。
今回は運良くボクのコレクションの中にまだあったので何とかクリア。
ステンレスのスポークを扁平に圧延加工されたエアロスポーク。
これはエアロダイナミック効果というより、圧延加工による加工強化がすごくいいの
で剛性が欲しいホィールには昔よく使ってました。
一昔のエアロばやりの頃でしたら簡単に手に入ったのですが、
やはりこれもメーカー在庫なし。ただしこれはまだ受注生産で対応してくれるという
こと。
早速発注ということですが、納期は1~2ヶ月、トホホ。
ハブです。通常は丸い穴が開いていますがこれではエアロスポークは通らない。
ホール数が少ないものでしたらエアロスポーク用に加工されたものが用意されている
のですが、
今回はガッシリしたものというご希望とライダーの脚力を考えて32ホール。
当然32ホールには加工されたものなど無いので要加工。
前後64穴にエアロスポークが通るように細いスリットをひとつひとる入れていきま
す、フ~。
色々大変ですが、おそらく出来上がれば今世の中に出回っているホィールとはひと味
もふた味も違ったものにはなるでしょう。
もうしばらくお待ち下さい。大阪のN山さん、
せっせとやってませ~。

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