職人マツナガ通信

2月15日

K子さん、まずはラグつくりからです。
ラグの元管ですが、K子さんが最初にオーダー頂いたときは4130クロームモリブ
デン鋼でしたが、
現在は8630ニッケルクロームモリブデン鋼にバージョンアップしています。
8630材にすることによってロー付け(溶接)後の破断強度がアップしています。
通常鉄というのは熱がかかってしまうと見た目はかわらなくとも、もともともってい
た強度がすごく落ちてしまうものなのです。
4130も優秀でしたが8630はさらによくなってます。
4130,8630ともにカイセイ(元石渡製作所)製でメイドインジャパンです。
ボクの師匠であるアマンダスポーツの千葉さんに頂いた資料によると、同じように破
断強度テ
ストした多くの人が信奉しているあるヨーロッパ製のフレーム材とくらべると実に4
0%位アップした数字となっています。
日本製も決してすてたものではないんですよ。
ちなみに、クロモリチューブとカーボンチューブを接着したものも同じ試験をしてみ
るとほとんど同じ数字がでていました。
この辺りが合金鋼ラグとカーボンチューブフレームの乗り心地のバランスのよさの要
因の一つか
もしれません。

さて、元管をK子さん好みのギンギラギン仕様の肉厚に旋盤でそぎます。考慮の結果
0.8mm肉厚でいくことにしました。
肉厚がそげたら接着に必要な必要十分な長さにカットします。ラグ長は通常の長さで
特に長くしませんでした。
肉厚、長さがきまったら図面の角度にあわせて突き合わせのアール取りをします。

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