職人マツナガ通信

8月23日

ホィールのテンション調整と振れ取りでお持ち込み。
最近では、この手の作業は基本的には、自分で組んだものしかお受けしないようにしています。
なぜかというと、どのくらい使用したか、どのように使われてきたかが、
わからないと、スポークテンションの調整のしようがないのです。
かなり年月の経っているホィールですと、あまり使用されていなくても、
スポーク一本、1m㎡あたり、120kg位でひっぱられているので、
金属疲労してしまっているのですね。
なので、折角ふれとりして、乗り出したら、すぐにスポークが切れた、なんてことも起こりうるのです。
今回お持ち込みのホィールも、ボクが組んだものではなく、
五年以上、10000km以上使用されているとのこと。
その部分を含めて、オーナーとよく話し合い、納得をされての作業開始となっています。

後輪を振れ取り台にのせて、ちょっとテンションを上げようとしたとたん、
パッチン! ッという音とともに、スポークが切れてしまいました。
トホホ。
オーナーに連絡を取ると、まだこのホィールを使いたいのとのことで、
スポークを全部入れ替えることに。
スポークは、全部に同じような応力がかかっているので、
一本きれて、新しいスポークをいれると、
次に弱っているスポークが間髪をいれずに折れる事があります。
なので、これくらい使われたホィールは、スポークが切れだしたら、
全部かえなければならなくなります。
でも、最近はこの手の作業も少なくなってきています。
スポークと交換工賃で、あたらしい完組ホィールが買えるくらいになってしまうので。

直すか、新規のホィールにするかは、オーナーのそのホィールに対する思い入れ次第ということですね。

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