職人マツナガ通信

11月14日

ミール-リング加工。
NさんのプロジェクトM、長さと肉厚が加工できたチューブを、
お次はフライス盤でザグリ加工をします。
チューブとチューブのつきあわせがスムーズになるように、
チューブと同じ外径の刃物でザグリます。
ザグる角度は、パソコン上で計算をしてあります。
パソコンの中に計算式をいれてあるので、
どんなスローピング度合いでも一発で角度がわかります。
ボクがアマンダスポーツに修行へで始めた頃は、
もちろんパソコンもなかったので、図面を引くか、
アマンダの千葉さんが自作の、自在フレームで角度を出すしかなかったです。
自在フレームというのは、前三角の状態のフレームで、
各チューブの接点がピントで止めてあるだけなので、自在に動き、
かつ、チューブもの長さも伸び縮みできるフレームです。
これを治具にセットして、前上がりやスローピング時の実際の寸法にあわせて、
そこから角度や長さをとってました。
これも革新的なアイデアで、いちいち図面を引く必要がなかったんですね。
ボクは職業訓練校で製図の勉強はしましたが、フレームを作るときに図面を引いたことがありません。
そうこうしているうちに、数式記憶電卓がでてきて。
まずは、フレームの設計ができるような、三角関数の連続の式をつくって。
それができたら、次は実際のチューブ長さがわかるような式をつくって。
最終的には、直線であれば、どんな形状のフレームでも、チューブカット長さやカット角度がわかるようにつくりました。
今思えばよくやったなぁ、という感じです。
多分今はもうできないでしょう。
今では、簡単なソフトがあるようですが、
当時は自分でやるしかなかったんですね。
でも、そうやって、フレームの三角をいやというほどいじったことで、
よりフレーム設計が身近になったような気がします。
さて、Nさんザグリ終わりました、
いよいよカタチになっていきます。

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