職人マツナガ通信

6月7日

下ごしらえⅡ。
スーパーコルサ、フロントフォークの下ごしらえです。
フォークのステアリングコラムに、
ヘッド小物のリップワッシャーというベロ付きワッシャーを入れるための、
溝が削られています。
今主流のアヘッドタイプにはなく、
ねじ切りタイプのヘッド小物には100%ついているものです。
今回は他の部分の仕上げ状態からかなり期待をしていたのですがダメでした。
溝が浅すぎて、リップワッシャーのベロが引っかかり入っていかないのです。
この溝の浅さは昔からで、必ずというほど、削り直しを必要とされます。
あとコンマ何ミリか刃物を入れてくれれば済むのに、なんで・・・・・・。
うちの場合はフライス盤があるので、溝の切り直しができますが、
フライス盤をもっている自転車屋さんというのはそうないでしょうから、
どうしているんでしょうかね。
ちなみに、リップワッシャーの法のベロを削ってしまうと、
ヘッド小物締め付け時回ってしまい、リップワッシャーの役をしなくなってしまうのでよくないんです。
次はステアリングコラムのネジ部分。
こちらも期待したのですがダメでした。
ねじ切りヘッド小物をねじ込んでいくねじ部です。
こちらも、ねじ切りが浅く、そのままだとヘッド小物がねじ込めません。
こちらはカンパニョーロの工具でタップ立て直しをします。
これも昔からかわらない仕事ぶりですね。
何で最初の工程でしっかり切れていないのか・・・・・・。
ちなみに日本のパイプメーカーさんのコラムはしっかり切られています。
最後に、こちらはあまり期待していなかったら、
いい方で期待はずれでした。
ヘッド小物の下玉押しというリングをフォークに圧入するのですが、
ここの寸法も、昔から必ず削り直していたのですが、
今回のものはぴったりと寸法がでていました。
やればできるじゃないか。
とこのように、海外のクロモリフレームをバラでくみ上げるには、
たくさんの下ごしらえが必要となります。
下ごしらえですが、これがおわると作業の半分が終了という心持ちになるくらいの作業です。

ということで本日無事にオーナーHさんのお手に渡りました。
コンポはカンパ、ハンドルはチネリのジロデイタリアにA1ステム、サドルはロールスというイタリアンな仕上がりとなり、
ご本人も大満足、よたったです。
デメタシ、デメタシ。