職人マツナガ通信

2003年 7月7日

最近自分の作ったフレームに関するウレシイはなしを耳にしました。
 
福島コ~ジくんに作ったフレーム。
選手間ではとかく他人のものは気になるもの。
彼につくったフレームを他のチーム員がのりまわしみて、
「近年こんなに進むフレームにであったことがない」
というおコトバをいただく。
くれたのは、日本を代表するロードマンだった。
(なぜかコ~ジくんの賞賛より、ウレシイ)
 
もう一点は、ヒルクライムをメインで、ファンライドを楽しんでいるオトナのライダーから、
「もうカーボンR以外受け付けないカラダになってしまった」
という、ちょっとアブナイおことば。
 
どちらも、ボクとしては特別な事はしていないのですが。
とかくと、な~んだと思われるでしょうが、すべてセオリー通りなんですよね。
どこのチューブを強くするかとかは、もう何十年も前にフレームにかかる応力検査で、わかってしまっているんですよね。
これは、自転車にゲージをつけて、実際に走行中のデーターをとっていたんですよね、すごい。
(ちなみに、日本でのはなしですよ)
 
また、たしか10年くらい前にコンピュータでの有限要素法(でしたっけ?)とかいう、解析法でいろんなところが、これみよがしにデーターをだしていましたよね。
だから、フレームのどこを強くして、どこは弱くてもいいかというのは、製作業をしているヒトなら大抵は知っているとおもいます。
 
ただ、自転車はエンジンがヒトというのが大変くせ者なのですね。
どのライダーにどのくらい強くすればいいかは、おそらくコンピューターでもそう簡単にはだせないのではないかとおもいます。
 
ボクはどうやってやっているかといいますと。
 
今まで計測しきた、チューブ単体での加重テストのデーター、フレーム体になってからの加重テストのデーター、そして、作ったものを使ってくれたヒトの評価などを、データーベースにして、そのライダーにあった強さを選択をしていきます。
 
こうして選んだチューブをボク自身が、フレームのカタチにつくっていきます。
設計者と製作者が同じというのが、おもしろく、またいいのかもしれません。
つくっていす最中で、いいと思えば設計をかえてしまいましから。
 
こういことが、ボクが溶接やさん、接着やさんでなく、フレームビルダーと言われる所以だとおもっているのですが。