職人マツナガ通信

5月29日

昨日ここに書いた、仕事が予定通りにいかないという内容を読んで、お客様のIさんから電話を頂きました。
Iさんには、先週マヴィックコスミックプロカーボンプロSLホィールの、
チューブレステープの交換作業を依頼されていました。
「オレの作業は、後回しでいいよ」
っという内容。
なんと、まあ、お優しい心遣い!
誠に感謝いたします。
こういう信頼関係が商いを円滑にすすめられる要因なんでしょうね。
お客さんには気をつかってもらいつつ、ボクらはそれに甘えないようがんばる。
単なる依頼者と供給者の関係ではなく、
こいつに任せれば大丈夫、っという信頼関係を結べるよう精進いたします。
Iさん、ご心配なく、作業はちゃんとお約束通りにやっています!

クマさんのバイク専科にあった、
https://www.sbtm.jp/kuma/24706/
「プロジェクトMを作り続けている、フレームビルダーの松永店長はどんな心境で作っているんだろうと思う。」
という問いにお答えさせていだきます。
まずつくっているときの心境ですが。
楽しみつつ、苦しむ、という感じでしょうか。
特に苦しむのは、つくり出す前、設計段階ですね。
オーナーがどんなバイクが欲しいのか、を会話や体型、乗り方から察していく。
この時が一番悩みますね。
つくる上で一番気をつかうのは、なんといっても機能です。
実際にオーナーがのって、イメージ通りの走りをするか。
一度設計が決まってしまえば、後は実作業。
こちらは、ミスしないように、っという集中力をとぎらせないように作業をしていきます。
つくっているときは、バラバラのものが、だんだんフレームのカタチにとなっていく様をみるのは、ホントに楽しいですね。

「プロジェクトMは作品と言っていいものじゃないかと思う。」
「オーナーに渡す時ってどういう心境なのだろう。惜しくはないのだろうか」
という問いに関しては。
ボクのつっているものは、絵や彫刻のような作品ではなく、道具と思っています。
その人の生活を潤わせるための、使ってなんぼの道具。
なので、つくったものをお客様に渡すのには、何の抵抗もありません。
オーナーが、このバイク最高だよ! っとニコニコ顔でいって頂けるのが、最高にウレシイ事です。
道具なので、ボロボロになっても使って頂けるのはとてもうれしいです。
逆に、使われなくなってしまって、倉庫で誇りをかぶってしまっているのは、ちょっと悲しいです。