職人マツナガ通信

4月3日

コ~ジ号の思い出。
オーダーシートをひっくり返してみると2003年に作っていたんですね。
つくばに孤立無援でお店を開いてまだ間もなく、まだまだお店も安定していない頃でした。

彼はエキップアサダの浅田監督の育成チームを卒業して、単独でフランスのクラブチームに入りプロを目指していたと記憶します。
彼からフレーム提供のオファーをもらった時は、「えっ」、ていう感じでした。
お店としてスポンサードするほどの余裕もないし、
スポンサードするにも、通常は実績のある選手、せめてオリンピックや世界選手権にでれるクラスの選手であって、
当時のアマチュアのしかもフランスで走っているコ~ジくんにスポンサードして、
スポンサード本来の意味、お店にとっての宣伝効果ってあるのかな、という思いでした。

今思い出しても、彼に提供しようと決めた決定的な理由って思い出せません。
話していてなんとなく、つくるということになってしまったんだと思います。
多分、彼のプロ選手になりたいという情熱というか思い入れに共感できた部分があったのでしょうね。
まあ、その思い入れは嘘ではなかった証拠に、
その後の活躍で、当時アンカーチームの浅田監督があれほど拒否していたコ~ジくんのチーム加入を認め、
チーム内での仕事をきっちりこなせるくらいの実力をつけ、日本代表になるほどのトップクラスの選手になりました。
ぼくの中で記憶に残っている活躍は、ヨーロッパのプロも参加するツールドランカウェイで、
単独で逃げ切ってステージ優勝したときです。
すでに何回か参加していたこのレース、つかまっても、つかまっても、毎回何度も逃げる彼のレーススタイルに当地にファンができるくらい、このレースにおいて彼は有名だったそうです。
その馬鹿みたいな逃げがついに決まったんですね。
自分も感動しましたが、日本のサイクルファンもとてもよろんだと思います。
まあ、コ~ジくんが人々に感動を与えられるような選手になる足がかりになったバイクと思えば、
スポンサードも無駄じゃなかったんだと今は思えています。