職人マツナガ通信

アメリカ放浪記 (8)

写真は、BREINIGSVILLという、目指すフレームビルダーの工房がある村の入り口です。
アレンタウンからたしか15kmくらいのところだったと思います。

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このフレームビルダーとは、ある人を介してしりあり、
手紙でやりとりして、就職の依頼をしてました。
結局手紙では、シゴトする事を断られてしまい、
とにかく、行って直談判するしかないと考え、
相手には連絡ナシのアポなしゲリラ作戦でした。
ですから、すべて自力で工房までたどり着かなければ
いけなかったのです。
かなり小さい時から地図片手に旅行していたので、
大概のところは、地図一枚でいけると自身持ってました。
でも、この村は(というよりアメリカの田舎)違ってました。
家と家の間が、1km位あるのですね。
はじめはたかをくくって、すぐみつかるさと、

自転車でクルクル廻ってましたが、全然それらしい建物はなし、(ちゃんと店構えしていると思っていたのですね)
雨は降ってくるし、ヒトに聞こうにも、ヒトどころか人家もないし、こんな時って、とても心細くなるのですね、
雨にぬれながら、なんでこんなことしてるんだと、かなりブルーになって、もう諦めて帰ろうかななどと弱気になってました。
でも、そこでも、またまた、幸運の女神が。

地図をながめていると、なんとジョギングをしているヒトがくるではないか。
お~神よ、とうなりながら、ここへ行きたいんだけどと住所を書いた紙をみせて、祈るようにきいてみました。
その住所をみて、しばらく考えていて、「よしわかった、オレが連れてってやる」と行ってくれました。
自分の感覚では、相当近くまできているつもりだったので、そのままジョギングでいくのかと思ったら。
一度家にかえり、クルマをだしてくれて、自転車とボクを積んで、いってくれました。

それでなんとかたどり着くことができましたが、やはり一人では無理なような街のつくりでした。

いや~、アメリカってやはりスケールでかいなと、おもわされました。
そうやって、アポナシで突撃したフレームビルダーですが、もちろんアポナシなので、
玄関で門前払いくうかもしれないという不安もありましたが、
とてもビックリした表情で(そりゃそ~だ)、だけど結構やさしく迎えてくれました。

なんと、まあ、悪運のつよいワタシ。