職人マツナガ通信

1月8日

N間さん、ラグパート開始です。
まずは、チェーンステーにリアエンドをロー付け(溶接)します。
チェースステー材(リアホィールがつく下側のパイプ)は8630材と呼ばれるニッケルクロームモリブデン鋼で、いわゆるクロモリとよばれているクロームモリブデン鋼より溶接時の熱劣化がすくない高級品です。
体重63kgということで肉厚は0.7mm。
フライス盤にメタルソー(丸い金属ノコ歯)をセットとしてチェーンステー材にエンドを差し込む割り切削します。
割が入ったら、フリーホィールが入る側(右側)のエンドが差し込まれるつけ根をギャが当たらないように、熱を加えてから刀鍛冶のようにハンマーでたたいて断面がかまぼこ状になるように変形させます。
申しわけありませんが、文章を読んだだけではどんなことをしているかはちょっとわからないですよね。
チェースステー材をバーナーで真っ赤にあたためて、ハンマーでたたく姿はまさに刀鍛冶という感じです。
右側のつぶしができたら、エッジを斜めにカットして、ロー付けするためにヤスリでぴかぴかに仕上げます。
ここまでできたら、治具にエンドとステー材をセットしてロー付けにより接合させます。

エンドが付いたら、設計図に従い必要寸法にカットして、ボトムブラケット(フロン後ギャがつくねもと)のアールにわあせて切削します。
寸法だしができたら、今度はフロンギャが接触しないようにまん丸のパイプを万力を利用して楕円にプレス加工します。
手作りの木製のベンダーを万力に取り付けて、手でプレスしていくのですが、これも勘がものを言う作業です。
なれてくると一発で左右誤差0.1mm位につぶせることができます。
またつぶしていく手応えで、これは粘りのある素材とかかたいけど割れやすそうとかがわかってきます。
これでチェーステー材の準備はOKです。

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