職人マツナガ通信

1月12日

少年来る。
”マツナガさんにあいたいという人がきてます”
呼ばれてでてみると、少年ひとり。
話してみると、フレーム製作現場をみたいのとフレーム製作に興味があり、その道に進むにはどうのうにしたらいいのか、というようなお話。
残念ながら、今日は祭日のため製作仕事はしていなかったので、お話だけさせてもらいました。
話の中で、少年が、
”マツナガさんは、なぜこの道を選んだんですか?”
自分の場合は、12才でサイクリング初めて、21才でレース活動をやめるまで自転車に乗ることしか頭にない生活をしていました。
本望はプロのロードレーサー選手を職業としたかったのですが、それはかなわぬ夢でした。
それまで、自転車にのることしか考えていなかったので、それをやめることになって、はて、さて、どうしたものかと途方に暮れました。
いろいろ考えましたね、もう一度なにかを勉強しに学校へいこうかとか。
もともと、小さい頃から職人仕事にあこがれがあったんですね、寿し職人とか大工さんとかケーキ職人とか、その人だからできる仕事。
食べ物の職人さんにもすごく興味がありましたが、自分の味覚で、今からやっても到底太刀打ちできないだろうとなとか考えて、
自分が今までやってきたことを生かせることで職人仕事だとしたら、フレーム製作だなというところにいきあたりました。
と、今思えばかなり明確なことがいえますが、当時はもっと不純だったと思います。
自分の一番の夢を失って失意のどん底、とにかく次の目標をきめなければと、あがいて、もがいて、とりあえずはこれでいってみよう、みたいな。
動機はたいして重要ではないとおもいます、やってみていかにその仕事を好きになれるかのほうが重要だとお思います。
やったことないことやるんですもん、やるまえから自分にはこれがぴったりだぁ!なんて誰にもいえないと思いますよ。