職人マツナガ通信

4月6日

材料選び。
寸法関係の設計がおわりましたら、
お次は材料選びの設計です。
プロジェクトMは、メインチューブとなる、
トップ、シート、ダウンチューブ用に今は5種類の強さの違うチューブを用意しています。
これらをオーナーにあわせて組み合わせをします。
Yさんは体重70kg目的はロングライドで、
疲れにくい、乗っていて快適な仕様をご希望。
平地だけ考えると、あまり剛性のいらないように思いますが、
下りを60km/h位で下ってくることも想定して剛性を考えます。
ここで体重がある程度参考になってきます。
平地はスプリント的な走りはあまりせず、
マイペースをイーブンで走り、
下りもしっかり恐くなく下れる組み合わせとなってきますね。
こんな事を考えながら、
オーダーシートに選んだ材料を書き込んでいきます。
オーダーシートに寸法、材料がすべて書き込み終わりましたら、
深呼吸をして、フレーム図と隣にある体格図とを一緒に改めてしげしげと眺めます。
何百人という人の設計をしてきているので、
ある程度アタマのなかにデーターベースができているようで、
体格図とフレーム図との数字にズレがあると、
あれ、何か違うぞ、という違和感を感じます。
ここで、違和感がなければ、
お次は材料を手にとって取り出していきます。
この時に、実際に手にしたときの材料の質感も重要な選ぶポイントになってきます。
あれ、軽すぎないか、強すぎないか、と何か感じたら、
また、オーダーシートやオーナーの要望書をじっくり読み返します。
文章で書くと何かたいそうな事のようにとられるかもしれませんが、
料理で、レシピには塩30gと書いてあるのですが、
実際に入れる段階で、30gを手に取ったとき、
多すぎると感じたり、少なすぎると感じたりして調整するとの同じと思います。
そこは人の経験と感が生きてくると思います。
うまみも科学的に計算で成分を精確に出せるのでしょうか、
最後の一降りで味が変わってくる。
いい、悪いは別にして、人が物をつくる妙味ではないでしょうか。
Yさんの材料もこんな感でお選びしました。