職人マツナガ通信

8月9日

スポーク長。
バラ組ホィール、
ハブ、スポーク、リムと、
アラカルトでお好みのパーツをお選びいただき、組み上げるホィールです。
昨今は、ホィールというとすでに車輪の形になったものが主流ですが、
少し前までは、ホィールは組み上げるのが普通でした。
ボクの記憶では、マヴィックのヘリウム(軽量ホィール)が初とおもっていたのですが、

調べてみると、1994年に少しハイトの高いコスミックが最初でした。
バラで組み上げるとき、、
スポーク長をどう決めるかが結構大変でした。
定番のハブ、リム、組み方であれば、すでに組んだデーターを元にすれば問題ないのですが、
新しい組み合わせ、イレギュラーのホール数や、ラジアル組とか特殊な組み方ですと、

全く未知数なので決めようがありません。
ボクはこのスポーク長を、
修業時代アマンダスポーツの千葉師匠に数式を教えてもらい、
最初は、ノートに手書きで計算、次にポケットコンピューターに公式をインプットして、

そして今は、パソコンの表計算ソフトに数式をいれて計算をしています。
この数式は、三十年前近く前に、千葉師匠がドイツのバイクガイド本からみつけられたものです。
最近は、リムメーカーのHPに数字をインプットすると、スポーク長を計算してくれるサービスがあるようで、
それをみると、同じような数字をインプットするので同じ数式なんでしょうね。
ただ、注意しなければならいのは、
この数式は伝統的なリム形状をもとにしているので、
最近のカーボン製のように、ニップルが表に出てこない形状のものには対応していません。
そこは人間、形状の違いから数式でだした長さを考えて調整しなければなりません。
今回も、コリマのカーボンホィールをバラ組したのですが、
やはり、スポーク長でちょっと苦労しました。
全て作業は机上プランどおりにはいきませんね。