職人マツナガ通信

2月22日

焼き上がり。
全てのカーボンチューブの寸法が出そろいましたら、
接着剤をつけて組み立てていきます。
ここでも、チューブの差し込み順番をよく考えなければ、
最後の一本ので、”ありゃ、はいらない”、なんて事になります。
まあ、さすがに手順は身体に染みこんでいるので、間違えることはもうありませんが。

全部差し込み終わったら、治具セットを確認をして、
加熱作業となります。
冬は室温が低いので加熱時間も長くなります。
今は、接着部各パートを局所的にあたためる加熱器でやっていますので、それほど時間はかかりません。
イタリアの工房でこの作業をしたときを思い出します。
イタリアでボクのつくる、カーボンクロモリフレームを製作したときは、
そんな加熱器はなく、どうしようと相談したところ、
塗装時の加熱室を使うことになりました。
何本ものフレームをいれて、部屋全体の温度を上げて、塗料を硬化させるための大きな部屋です。
その部屋に、接着剤をつけてフレームをセットした重い治具を、みんなでえっちらおっちらもっていくんですね。
フレーム一本のために、部屋全体を暖めて、それも塗装よりかなりながい長時間。
雇い主に、おまえ、これいくらのフレームになるんだ! と嘆かれた思い出があります。

あ~、これももう二十年前の話になるんですね。