職人マツナガ通信

2月14日

フォーク。
YさんのプロジェクトM、
体型から縦長、横短設計になると以前に書きました。
トップチューブが短めになると、
どうしてもフロントフォークのオフセット(曲がりの深さ)量をとらなければ、
フロントセンターを確保できなくなってしまいます。
プロジェクトMの場合は、フロントフォークは既成のカーボンフォークをフレームにあわせて選んでいます。
既成のフォークには、このオフセット量が長いものが少ないんですね。
また年々フロントフォーク単体販売もなくなってきてしまっていますので、選択肢もあまりありません。
こんな中、めずらしくオフセット量のおおいフォークを新規でみつけて購入していました。
通常はオフセット量の多いフォークは、
小さいフレームサイズ(トップチューブが短くせざる得ない)用に使われるのがほとんどなので、
剛性はそれほどなくていいものとして考えています。
しかし、今回は180cm近いYさんに必要とういことで、剛性も必要となります。
なので、この新規で買い付けたフォークがYさんのフレームにあわせられるかどうかをたわみテストしてから決めることにしました。
テストは、フォークをしっかり固定して錘をかけてたわみ量をダイヤルケージで読みとります。
簡単なテストですが、アマンダ時代から続けてやっている方法です。
ある時大手メーカーの人がみていて、誤差が大きいおおざっぱなやりかたと笑われましたが、
毎度同じ方法でやるので、とったデーターは比較検討できます。
ボロボロのデータ表には歴代のフォークの数値が残っています。
1993年のルックのデーターなんかもあります。
こんなのが、自分のフレームつくりの礎になっています。
ボクの中では、何十年も絶やさないおでん屋のたれとかうなぎ屋のたれとかいうイメージで、
絶やすことのできない作業です。
結果は、瓢箪から駒といったらつくられる人に失礼なのですが、
予想した以上にいい数字がでました。
実は、これと同じメーカーのフォークを2009年にテストしたのですが、
この時は悪くはないのですが、特別いいという数字ではなかったのです。
今回のものは全く別物なんですね。
OKです、Yさん! ルックスもボリューム感もそれほどなく、細身のオレンジ号にはバッチリ相性いいと思います。
これでいきます!