職人マツナガ通信

4月13日

スタッフサカマが、オーバーホールで持ち込まれたホィールの、
ハブのガタがとれないと、持って来た。
みると、当店で販売した超軽量ホィールだ。
ハブに、SOUL KOZAK(ソウルコザック)という、ポーランド製の超マニアックな軽量ハブが使われている。
構造を調べてみると。
シャフトに単純にシールドベアリングが、かちこんであるだけのタイプのよう。
このタイプのハブのガタは、シールドベアリングの中心を押す力がよわいと、よくでます。
このハブ、ロックナットに当たる部分は、ただはめ込んであるだけ。
マヴィックのように、ネジが切ってあれば、調整ができるのですが。
しかたがないの、ベアリングとロックナットの間に、ベアリングの中心だけを押す大きさのワッシャーを旋盤でつくる。
それを、いれて、試してみる。
っと、ほとんど変わらずのガタ状態。
ん~、ベアリングの押す力ではない。
では、どこがガタ出ているのか。
こういう作業をするときは、原因となる事象を想像して、それを一つ一つクリアしていきます。
では、ロックナットは、シャフトにただはめるだけなので。
このシャフトとロックナットのはめあいが緩いのでは。
ということで、シャフトにセロテープをまいてシャフト径を若干太くして、ロックナットを挿入。
そうして、試してみる、っも、やはりガタ状態に変化なし。
残るは、シャフトとベアリングのはめあいか、ベアリングそのものガタ。
しかし、ベアリングはこんなにガタ出るほど、まだ、このホィールは使われていない。
とにかくばらしてみようと、シャフトを抜くことに。
シャフトを抜いてみると、一方の端ついてくるベアリングを、よ~くみてみると。
シャフトの端にベアリング止めがついているのですが、そのベアリング止めとベアリングの間に、ほんの少し隙間がある。
どうも、これが原因か。
シャフトを叩いて、ベアリングの端を、シャフトのベアリング止めにピッタリつくようにする。
そうして、もどして、試してみると。
お見事! ぴたりとガタはなくなった。
こんな事でもガタは出るんですね。
自転車屋生活四十年、まだまだ精進、精進。