職人マツナガ通信

8月7日

ハンドルが折れた?!
先日オーバーホール作業を終えて納車した、
パナソニックチタンを駆るMさんから連絡が入る。
「ハンドルが折れたみたいなので見てほしい」 っと・・・・・・。
ハンドルが折れる、そんなバカな、っと思いつつお話を聞くと。
当日ライド中写真を撮るためにバイクをたてかけたところ、
風にあおられパタンっとたおれしまったということ。
その後ライドを続けていると、レバーが揺れる?
更に使続けるとほとんど揺れが大きくなっていったとのこと。
はたして、お持ちいただき見てみると・・・・・・・。
なんと、仰る通りハンドルが折れていた!
Mさんのパナソニックチタンのオーバーホール時に、
ハンドル表面が汗で腐食していたことをここに書きました。
原因はこの腐食で、さらにバイクを倒した時の衝撃で割れが入り、
その後の使用で割れが広がっていき、ついに折れたということのようです。
落車や事故で大きく曲がったアルミハンドルを見てきましたが、
ここまできっぱりと折れたアルミハンドルを見るのは、初めてかもしれません。
Mさん、もともと汗かきだとはなされていたのですが。
ボクの想像以上に汗をかいているようです。
なんでもライド中にかいた汗がひあたたり落ちてシューズにたまっていくとか・・・・・・。
オーバーホールが終了して一週間ちょっとなのですが、すでに600㎞くらい乗られているとのこと。
折れていない逆側のレバー付近を見てみると、あんなにきれいに落とした腐食がまたたっぷりと腐食している、
防錆スプレーを吹きまくっていたのに・・・・・・・・。
アルミの素材が影響をしているかと思い、ちょっと調べてみました。
使用材料は7050のアルミ合金です。
7050の特徴をみてみると、応力腐食割れ性にすぐていている材料だとあります・・・・・・・。
応力腐食割れとは、腐食環境下において、金属材料に引張応力が作用することで材料に割れが生じる現象とある。
まさに、今回のケースです。
その得意である特徴を乗り越えて割れてしまったというくらい、
Mさんの発汗量はすごかったということになるのでしょうか。
おれたバーの内側を確認すると、なんと内側にも腐食がありました。
表面が腐食をしているハンドルバーは即交換が必要なのがよくわかりました。
とりあえずMさん、大事に至らず良かったです。
もがいているときに、ポッキっとハンドルが折れたらそれこそ大事故になってしまいます。
Mさん対応策としては、腐食しないカーボンハンドルですね。