職人マツナガ通信

イタリア就職記 (19)

まずは、工房にある機械の説明を受けました。
まあ、基本的には日本でつかっていたものと変わりはなかったです。

ただ、イタリアはこういうレーシングバイク産業がさかんなので、専用の加工機械がありました。
日本のように(あくまでボクの作業経験の範疇です)、旋盤とフライス盤で、作業によっていちいち刃物を付け替えるという作業は必要ないような、能率的な設計の機械がありました。
でも、この単一機能だと同じ作業で数をこなすのには大変いいのですが、一品物を作る時にはちょっと応用が利かないと思いました。
その後これは、レーシングフレームの需要スタイルの違いだな思うようになりました。
イタリアには、日本でいう細部まで寸法をするオーダーフレームという感覚が殆どないようでした。

P工房では、プロ選手のオーダーを除けば、一般ライダーからのフルオーダーフレームは、年に10台あるかなかだといっていました。
一通り機械の説明をうけると、製作用の治具を一台、おまえ用だと与えてくれました。
これをつかってミラノショーまでにフレームをつくらなければならない。
さあ、いよいよイタリアでのフレームつくり開始です。

アマンダスポーツで色々な作業の経験をさせてもらったので、どうんな道具であろうとも、カタチにする自信はありました。
治具を前にちょっと武者震いをした記憶が残ってます。