職人マツナガ通信

6月12日

ようやくエアロスポーク(扁平スポーク)を通すためのハブ穴加工が終わり、
ホィール仮組までできあがり。ここまではスタッフヨシダの作業。
ここからマツナガが引き継ぎ振れとり作業に突入。
いつものダイヤルゲージ付きの振れとり台にのせてニップルを締め上げていきます。
きしめんのようなスポークなのでそのままニップルをしめると、
スポーク自身がねじれてしまうのでスポーク一本一本ねじれないように工具を使って
抑えながら締め上げていきます。
自分の場合はまず、縦ぶれをとっていきます。
これ横と縦と一緒に振れとりしてをしていったことがあるのですが、
スポークのねじれひずみがあるので初期の全く振れとりできていない状態では、
まず縦をとってから横をとりだすのが結局作業性がよいとわかりました。
まず縦ぶれが0.2~0.3mm位までの振れにおさまったら、
ホィールを一回治具からはずして、
ホィール踏み専用台(お手製)にのせて体重をかけスポークやニップルのねじれひず
みをとります。
そしたら、また振れとり台にのせて今度は縦の振れを気にしつつ横のふれをとってい
きます。
ホィールのセンターだしは、いわゆるセンターゲージという工具は使わずに、
ホィール左右の振れをダイヤルゲージでよみとりその値からセンターを計算して、
ダイヤルゲージの目盛りを指標にビシッとだします。
こんな感じで台にのせて最大振れ0.2mmまでふれをとったら、
ホィール踏み台にのしてしごく、
そしたらまだ台にのせてふれをとっていく、
という作業を、踏み台でしごいたあとに、
振れとり台に乗せても振れていない、という状態のなるまで繰り返します。
こうして出来上がったホィールは初期ぶれがほとんどでないガッシリしたモノに仕上
がります。
昔チームVANGの浅田カントクが現役の頃やプロトライアスリートのバイクメンテ
をやっていたときに、
試合用のホィールを頼まれて、できあがったものをそのままレースで使用なんて事も
あったので、
とにかく即実戦につかえなければいけないものつくりというのを学ばせてもらいまし
た。
ホィールも踏まれて、踏まれて強くなる、ヒトとおなじかな。

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